2018年

5月

28日

お久しぶりです

こんばんは、しばらく更新しませんでしたが、私は元気ですよ。

 

ブログは休みの日に更新することがほとんどでしたが、ここしばらく休みの日は昼から遅くまで出かけることが多かったもので。

 

休みの日はすすきの方面に向かうことが多いです。昨日の休みも所用で昼間に大通すすきの方面に行ってきたのですが、やっぱりいつ来ても心ときめく場所ですね。

 

ほんのちょっと前まで毎日通って働いていたことが信じられないくらい懐かしく愛おしく感じました。やっぱり今でもすすきの大好きです。

 

春道堂営業時は夜型の生活を続けていましたが、最近ではすっかり昼型です。休みの日でも遅くても8時台には起きます。休日に早起きすると一日を長く感じます。

 

とりあえず近況報告でした。それではまた!

2018年

5月

07日

桜も過ぎて

今年は休みのタイミングが合わず、大好きな桜を見ぬままに終わってしまいました。前回の休みでちらりと4分咲きを見たのが唯一です。

 

思い返せば、就職はもちろん二度の開店も今回の転職も春だったので、人生の転機が訪れるたびにいっぱいいっぱいになり、花を愛でる心のゆとりがなくて、桜を見逃している気がします。

 

人生88年と考えたら、一回たりとも逃がすのはもったいないというのに! 来年の今頃は穏やかな気持ちで存分に花を楽しみたいものです。

 

もうすぐ働き始めて一ヵ月になります。店を畳んでからも3ヵ月を過ぎ、すすきので命を燃やし尽くした三年数ヵ月に懐かしさすら覚えます。お客さんが来ない日などは地獄のように一日が長かったのですが、不思議なもので過ぎ去ってしまえばあっという間に感じますね。

 

新しい仕事を始めたばかりの今は、おぼえることも失敗することもたくさんあり、毎日がいっぱいいっぱいで、出勤の日の一日をとても長く感じますが、この日々も後で振り返ればあっという間なのでしょうか? 

 

果たして私はいつか失敗をせずにスムースに働けるようになっているのか、一年後の自分を見てみたいと痛切に思います。

 

とにもかくにも今できることは日々精進だけですね。明日もがんばろう!

2018年

4月

30日

春ですね

こんばんは、いよいよ桜も咲き始めましたね。私が今日街中で見たのはまだ3~4分咲きでした。

 

新たな職場で働き始めて三週間、いまだ己の要領の悪さと力不足と痛感する毎日です。

 

 

せっかちですぐに結果を得られないとひどく落ち込み、激しい自己嫌悪に陥ってしまうのが若い頃からの私の悪癖です。

 

失敗やだめなところばかりを数えて鬱々するよりも、楽しく元気に働くことを心がけるほうがよっぽど有益ではないかと最近気付きました。

 

上達に早道はなく、腰をすえて前向きに日々精進するしかないのだと思えるようになってきた今日この頃。明日からもがんばらねば!

 

 

さて、ここでこのブログとホームページについてのお話を。

 

私がもともと文章を書くのが好きなのと、お客様や知り合いで楽しみといってくださる方もおられるので、閉店後もこのブログを続けております。めったに更新しないのに毎日一定数の方が見てくださっているようで、大変ありがたく存じます。

 

本来ならば店名をはずし、店に関することを削除して、個人として新たにブログでも始めたほうが良いとも思うのですが、私は子供の頃からの年賀状や写真や授業のノートすらなかなか捨てられないような記録魔でして、3年数ヵ月全身全霊を傾けた春道堂の記録を消してしまうのが惜しいと思ってしまうのです。

 

考えに考えて作り上げた美しい百合コースやおいしいかにコースの写真を削除してしまうのも、なんかもったいなくて。

 

そんなわけで、まだしばらくは春道堂の記録を残しておくつもりです。

 

ただし、現在のこのホームページは年単位で費用がかかる有料のプランをつかっているため、契約期間が終わる7月以降に無料プランに移行する予定です。

 

無料プランになってもホームページ自体はそのまま残りますが、アドレスが変わってしまいます。

 

フェイスブック等でこのホームページにくださった「いいね」は消えてしまうかもしれません(詳しくないので、実際にどうなるかはよくわからないのですが……)。

 

ブックマークから見てくださっている方は、ある日突然削除されていて驚かれるかもしれませんが、春道堂で検索していただけたら変更後のホームページにたどり着けると思います。

 

くわしくは近くなったらまた告知いたしますね。

2018年

4月

21日

働くって

こんにちは、中村です。今日明日とお休みなのです。

 

働き始めてもうすぐ二週間。覚えねばならないことがたくさんあって、毎日帰宅後に復習をし、出勤前も予習をしています。

 

それでもなかなか覚えられず、作業は遅く、たびたびしょうもないミスしてしまいます。先輩方にフォローしてもらってばかりで、いい歳して情けない話です。

 

歳に関係なく初心者は初心者だってことは分かっていますが、それなりの社会経験を積んで来たはずなのに、こんなに手際も覚えも悪くて私は大丈夫なのか? と思ってしまいます。

 

44歳で新しい職場に勤めることに大変な緊張がありましたが、特に不安に感じていたのは他の人と一緒に働くことでした。

 

会社員時代に配属された部署は途中から私一人になったので、負担は大きくても自分のペースで働けたし、29で会社を辞めてからの15年のうち10年は自営業で一人仕事をしてきました。

 

なので、この歳から人様と連携してうまく働けるのだろうかと。

 

実際に働いてみて、やはり先輩たちの驚くばかりの早技にあわせて動くのは難しいのですが、何かあれば助けてもらえるし、ひとりではない安心感もあります。

 

失敗してもとろくても働いた分の時給をいただけるなんて、とてもありがたいことだし、守られていると感じます。

 

こんな風に思えるようになったのは、やはり一度自営業を経験したからかもしれません。新卒で会社員になった時は、待遇面などに不満を感じることも多かったし、今ほど働くことに必死ではなかったと思います。

 

前回のお休みはスキップで帰りそうなくらいひたすら嬉しかったのですが、今回はちょっと複雑な気持ちもあります。

 

もちろん休み自体は非常に嬉しいです。今日は昼から軽く酒を飲んだり、テレビで野球を見たり(がんばれファイターズ!)、これから飲みに出かけるし、明日は風呂に入りに行くつもりですし、思い切り満喫しまくっていますが、二日続けての休みでせっかく覚えたことが抜けたり、気持ちの張りが切れてしまうのではないかと心配です。

 

とにかく早く仕事を覚えて、自信を持って働けるようになりたい。今はそのことばかりを考えています。

 

毎日一生懸命働いて、休みは休みで心から楽しめる人生を送りたいです。

2018年

4月

16日

働くってすばらしい!

こんにちは、長らくご無沙汰しておりました。

 

実は就職が決まりまして、先週から働いております。飲食店ではありませんが飲食関係です。

 

具体的にどこでとは申し上げませんが、札幌市内のたくさん人の来るところなので、偶然お会いすることもあるかもしれません。

 

一介の従業員ですし、忙しいお店なので勤務中は個人的に話し込んだりは出来ませんが、気付いたらお声をおかけいただけたらと思います。

 

今回の就職活動は自分の適性に合った、楽しく快適に働けそうな職場を探し出すことに時間と労力を費やしました。

 

就職は仕事の内容と同僚と環境と自分との相性が重要というのが、いくつかの職を経てたどり着いた私の結論です。適材が適所におさまるこそことが、働く側・雇う側双方にとって最も幸せで効率の良いことだと。

 

 

店を閉めてから自由な時間がたくさんあったおかげで、これまでの人生を見つめなおし、就職も含めたこの先の生き方をしっかり考えられました。

 

2ヵ月ほど仕事を探しながら、いろんなところに出かけたり、いろんな人に会ったりしていました。二十数年ぶりに高校時代の恩師とも再会して飲みに行きました。

 

遊んでばかりで楽しかったけど、店を畳んでから日が経つにつれ、働いていないことの罪悪感とつまらなさが大きくなり、人と会っている時は良くても一人で家にいる時はどんよりしていました。

 

暇な時間はたくさんあったのに、このブログを更新する気力すら湧きませんでした。

 

今日は働き始めて最初のお休みです。毎日がお休みだった就職前と、丸一週間働いた後にもらえる休みとでは、ありがたさが全然違います。

 

やっぱり働くってすばらしい!

2018年

3月

13日

室蘭へ

今日は久しぶりに会社員時代に6年近くの月日を過ごした室蘭に日帰りで遊びに行ってきました。かつての会社の同僚と会うためです。

 

前に行ったのは春道堂を開店する直前だったので、ちょうど4年ほど前です。ずいぶん遠いところみたいに思っていたけど、行ってみると高速バスで札幌から2時間足らずで、小説を読んだり居眠りをしたりしているうちにあっという間に着きました。

 

調理学校に行くために会社を辞めて室蘭を離れたのは15年前、29歳の時でした。大学卒業後に最初に働いた職場なので、一番印象が強く、今でも度々働いていた当時の夢を見ます。

 

見る夢は大体ミスをして焦っているものです。スーパーの本部でチラシやPOPの仕事をしていたので、明日特売なのにチラシの校正をしていないとか、POPを作るのを忘れていたとか。

 

目が覚めたら「ああ、もう違うんだ。もうチラシもPOPも作らなくていいんだ」と心底ほっとします。当時のプレッシャーは相当大きかったんだと痛感します。

 

当時は辛いことも苦しいことも山ほどあったはずなのに、かつては血を吐きそうなほど嫌だったことすら、今となっては笑える話の種、愉快な思い出でしかありません。

 

命を削るようなサービス残業をして必死に支え続けた会社は大手に吸収合併されて店名も変わり、敬愛していた社長も今は亡く、諸行無常を感じます。

 

しかしあの頃の日々があって今の私なのだから、無駄なものなど何ひとつなかったと思います。

 

 

室蘭の町並は中小都市のご多分に漏れず少々廃れていましたが、かつてはなかった素敵なお店もできていました。

 

札幌の皆さんもおなじみ、おいしい珈琲を飲ませてくれる宮越屋珈琲さんが海を望む高台にありました。店内はガラス張りで、ぐるりと大パノラマで海を見渡せます。

 

帰り際、デッキに出てみるとこの景色でした。

17時近くに撮影したものです。大変感じの良い店員さんに「もう帰るんですか? これからもっときれいになりますよ」と言われました。 夕日が沈む頃には超絶的に美しいのでしょうね。

 

 

ちなみに私たちの席があったのはデッキの逆側で、小さな漁船がたくさん見える漁港でしたが、遠くに白鳥大橋と工場群も見えました。

ガラス越しの撮影なのでわかりにくいですが、夜に来たら工場夜景で相当きれいであることが想像できました。

 

帰宅後に調べると『宮越屋珈琲MUTEKIROU』という店名のようです。皆さんも室蘭に行くことがあればぜひ寄っていただきたい。景色が良いことはもちろん、珈琲もケーキも大変おいしかったですよ。

 

 

帰り際、バスの時刻まで余裕があったので、スーパーに寄りました。さっきまで生きていたみたいに新鮮な魚が何かの間違いみたいな激安で衝撃を受けました。買って帰りたかったけど、バス内に生臭いにおいを撒き散らすと申し訳ないので断念。

 

すばらしい景色に安くておいしい魚に朗らかでやさしい街の人たち。そして近くにはいつも海が……

 

住んでいる時はわからなかったけど、20代の6年を過ごした室蘭はこんなにも良いところだったんだ!

 

  

しかし、15年前に会社を辞めて以来会うのは二回目だと言うのに、当時の同僚達とは昨日まで一緒に働いていたかのように会話が弾みます。

 

たびたび職を変えるのはほめられたことではないのかもしれないけれど、そのたびに新たな友達が出来て、人生の財産が増えるのはうれしいこと。

 

新たな就職先でも生涯の友に出会えると信じて、がんばって職探しせねば!

 

2018年

3月

11日

またも利家

私はまだ仕事探し中です。就職活動をするのは前の店を畳んだあと以来なので、およそ7年ぶりなのですが、当時に比べて飲食業の募集がたくさんあることに驚いています。

 

本当に景気が良くなったのか? 飲食業はそんなにも人気がないのか? あるいは3月は募集の多い時期だそうなので、そのせいなのか? 

 

募集が多いのと私が採用されるかどうかは別の話なのですが、毎日目移りするほど新規の募集が続々と出てくる状態なので、今は様子見をしています。

 

しかし、働く先が決まっていないのは不安ですし、せっかちな私はじっと待つことが何より苦手で、宙ぶらりんのこの状態はかなりのストレスです。

 

今ある中から決めてしまって、毎日忙しく過ごしたほうが楽になれるのかもと思いつつも、焦って決めた後に理想的な募集が出てきたらものすごく後悔するだろう。

 

でも待ってもより良い条件が出るとは限らないし、こうしているうちにも有限な人生の残り時間が減ってゆくし、迷うよりもさっさと働き始めたほうがいいのでは? 

 

しかし、この先の人生の多くの時間を捧げる職場だからこそ真剣に選択するべきで、心に迷いがある状態で考えることを放棄するのは一種の逃げではないか?

 

焦りと不安で毎日もやもやと落ち着かないこの感じ、なんか覚えがあると思ったら、物件探しをしていた時と同じだと気付きました。そういや4年前の今頃もこんな気持ちで過ごしていたんだっけ。(春道堂への道③④参照)

 

ならば今回もただ座して待つのではなく、情報収集や分析など自分に出来ることを納得行くまでやり切れば、おのずと迷いは解け答えが見えてくるはず。

 

最近は一人で家にいると気が滅入りがちでしたが、意識的に気持ちを切り替えて、前向きかつ積極的に行動することで、あの時と同じように最良の場所にたどりつけると信じます。

2018年

3月

04日

お久しぶりです!

こんばんは、ご無沙汰しています。春道堂はひと月以上前に閉店したにもかかわらず、このブログを毎日見てくださる方がおられるようで恐縮です。

 

私は閉店後も大変元気です。ただ、長い間店のことばかりを考えて生きてきたので、閉店後のドッタンバッタンが落ち着くと急に情熱の持って行き場を失い、一瞬腑抜けになってしまいましたね。

 

冬のオリンピックが終わっても相変わらず片づけを続けながら、歯医者に通ったり、親戚や友達と会ったりしつつ、仕事を探しています。

 

今回久々に履歴書を書きましたが、職歴の項目が多くて大変疲れました。振り返るとずいぶん遠いところに来たなぁと思ってしまいます。

 

私は大学卒業後に6年近く室蘭のスーパーで販促の仕事をしていました。29の時に会社を辞めて札幌に来て調理学校に一年通い、卒業してからはずっと調理の仕事をしています。

 

初めて飲食店で働いたのは調理学校在籍中の初夏、和食店の臨時バイトでした。

 

期間は2週間ほどで仕事内容は皿洗いや簡単な盛り付けだけだったのですが、あまりに手際が悪く失敗ばかりの自分が歯がゆく情けなく、初日の帰宅後にテレビをつけたら大好きな男はつらいよのオープニング曲が流れてきて、途端に泣けてきたのを覚えています。

 

調理の道に生きようと人生をかけて会社を辞めてきたのに、30近くなって皿洗い一つまともに出来ないなんて、私のような役立たずは生きていても意味がないのではと思いました。

 

それでもちょっと前まで室蘭でデスクワークをしていた私が、憧れの札幌の夜の街で、白衣に白い前掛け白い帽子のいかにも料理人といった格好で、厨房で働いていること自体にいたく感動しました。

 

会社を辞めて調理の道に進むことは、大学進学も就職も勢いに乗って流されるように進んできた自分が、初めて自分の強い意志で選び取ったことでした。

 

失敗や反省は山ほどありますが、会社を辞めて調理師になったことを後悔したことだけは一度もありません。

 

初めて厨房に入ったあのころからもうすぐ15年、その間に2回も店を開いては畳んだ甲斐性なしではありますが、今でもやっぱり調理の仕事は大好きです。

 

毎日忙しく楽しく働けるところに雇ってもらえたらいいなぁ。

2018年

2月

25日

その内側へ

私は昔から興味のあるものほど内側に入りたくなる性分でした。

 

野球観戦に行けばグラウンドに降りたいし、コンサートを見に行けばステージに上がりたいし、お祭りに行けば売る側に回りたいし、同人誌即売会に行けば机の内側に入りたいと思ってしまいます。

 

その上やっかいなことに、負けず嫌いで目立ちたがりだったので、迎えられる側ではなく迎える側、お客ではなく主人、常に主客の主の方でありたいと思っていました。

 

ゆえに、就職も進学もスポーツも、好きなことではなく得意なこと、勝てそうなこと、認められそうなことを選んできました。

 

 

そんな私ではありますが、すすきのに店を開きたいと思ったきっかけは、純粋にあこがれによるところが大きかったです。

 

大きいとどころかほとんどすべてと言ってもいいかもしれません。とにかく子供の頃から恋焦がれていたこの街の構成員になりたかったのです。

 

春道堂を開いた直後は、あこがれの街で主客の主になる夢が実現したことが嬉しくて、いかにもすすきのの店主らしく振る舞おうと、誰にでもぺらぺらと話しかけまくっていました。

 

しかし、営業を続けるうちに、店主面して出しゃばるよりもお客さんがあずましく過ごせるよう裏方に徹するほうが、私自身もずっと楽しく心地よく働けると気付きました。

 

3年8ヵ月ほど営業を続け、今年の1月末に閉店するころには、あれほど強かった内側への執着、主客の主でありたいとの欲求がほぼ消えていました。

 

子供の頃から続いていた、長い長い自己顕示欲との戦いがようやく終わりを迎えたのだと思いました。敗北ではなく勝利と言う形で。

 

けんかの時の猫のみたいに背を丸め毛を逆立てて自分を大きく見せようと必死になるよりも、等身大で自然体の自分で生きるほうが、よほど楽だし自由なのだと知りました。

 

 

第5グリーンビルの5階にもう春道堂はないけれど、あの湾曲したカウンターの内側にいた日々は確かに私を変えてくれました。

 

春道堂は小さなお店でしたが、3年数ヵ月の間、憧れのすすきのを裏から支える一員であったことを、これからも生涯誇りに思います。

 

夜のにおいに胸を高鳴らせた高校生のころも、店主でいた間も、再び一消費者に戻っても、すすきのは常に変わらず私のあこがれの街です。

2018年

2月

24日

オリンピックとお片付け

いやぁ、今日のオリンピックは興奮しましたね! 

 

マススタートは初めて見たけど、駆け引きが面白いですね。最後に高木菜那選手が内側から一気に抜け出した時は思わず大声を出してしまいました。

 

カーリングもギリギリのすばらしい試合でした。なによりみんなかわいいし、笑顔もすばらしい!

 

冬のオリンピックは夏に比べて地味なイメージでしたが、スノーボードやフリースタイルスキーのような死人が出そうな恐ろしい競技から、カーリングのような知的で静かな競技まであり、なかなかに奥が深いですね。

 

 

さて、今の私が何をしているかというと、就職情報を収集し吟味しつつ、オリンピックを見つつ、部屋の大片付けをしています。私は店を畳んでからもう何十時間片づけをしているんだか。いや、軽く100時間は越えているな。

 

以前感銘を受けた近藤麻理絵さんの名著『人生がときめく片付けの魔法』によると、片付けは物を捨てるところから始まるとのこと。

 

わかってはいるのですが、生来の貧乏性で物を捨てる決断をできず、日ごろから不要物を溜め込んでいるところに店の荷物が大量に流入し、ワンルームの部屋が物であふれかえり、一時は大変なことになりました。

 

これは本当にまずいと思い『人生がときめく片付けの魔法』を再読し、普通の生活ができる部屋にするために、命がけで片付けと掃除を始めました。

 

片付けも掃除も苦手な作業なので苦痛で仕方がなかったのですが、次第に勢いがつき、コツもつかめてきて、だんだん楽しくなってきました。

 

店から来た物を捨てた後に元からあった物の整理を始めたところ、なんでこんなものを大事にしまいこんでいたんだろう? と思うような絶対にいらない物が続々と出てきて、ゴミ袋がどんどん減って行きます。

 

おかげでこの部屋に引っ越してからの15年でもっとも部屋がきれいな状態になってきました。

 

しかし、月一度の不燃ごみの日まではパンパンのごみ袋と共存しなければならないのが苦痛です。早くすべて家から出してすっきりしたいのに……

 

しかし、片付け道はまだまだ半ば。私にとっての捨てられないものNO.1の本類が手付かずなので、むしろここからが正念場です。

 

片づけをすると運気が上がるとも聞きます。完璧に片付けて気持ちをすっきりさせ、運を引き寄せ、より良い人生に向かいたいものです。

2018年

2月

22日

春道堂への道④

前回からの続きです

 

……

 

第2グリーンビルを知った後も何件もの物件を見ましたが、他を見れば見るほど第2グリーンビルの良さを痛感し、恋しさは募るばかりでした。

 

しかし、前に経営していた店では家賃の高さに苦しめられたので、想定よりも高い家賃の物件を契約すると後々苦労することは身に染みてわかっています。勢いと感情だけで決断することは危険です。

 

物件を探し続ける日々が続き、気がつけばもう3月になっていました。初めて内覧をしたのが11月頃だったので、あれからもう4ヵ月か、と思ったときにぞっとしました。

 

私も40歳(当時)、充分な気力と体力を持って働けるのはあと30年くらいかもしれないのに、限りある人生のうちの4ヵ月もの時間を迷っているだけで使ってしまった!

 

大概の物件は3年契約なので3年は営業しなければ敷金が返ってきません。

 

なので想定より高い家賃×36ヵ月と言う期間の長さに怖気づいていたのですが、もし探し始めてすぐに物件を決めていたら、今の段階で3年契約のうちの4ヵ月はすでに経過し、残りは32ヵ月と言うことになる。

 

店を始めてしまえば3年なんてあっという間だろうし、なにより、迷っている間は物件探しに気持ちと時間を取られるけど、実際に店を開けば日々の営業が経験になり、間違いや失敗すら私の財産になる。

 

このまま物件探しに労力を使い続け、決断を先延ばしにして貴重な人生の時間を浪費するくらいなら、さっさと店を開いてもっと具体的なことで悩んだ方がよっぽど有意義ではないか? 

 

これまでの数ヵ月、すすきのを何周もしてビルを覗きまくり、たくさんの内装も見せてもらい、全身全霊を傾けて物件探しをしてきました。

 

安くて立地が良くてきれいな物件なんて存在しないこともわかってきたし、いくつも見てきた中でもここで店を開きたいと思えるところはほんの少しだけでした。

 

その中で間違いなく最高の物件である第2グリーンビルを、もう一度新たな気持ちで見てみたいと思いました。

 

翌日に他の物件も見せてもらう約束もあったので、ついでに第2グリーンビルも再度見せてもらいたいと仲介業者さんにお願いしました。

 

このまま迷い続けていてはいつまでも先に進めない、明日は見た中から決めるくらいの覚悟で行こうと思いまた。

 

もちろん改めて見てしっくりこなかったら契約するつもりはありませんが、その夜はなんだか妙に心がざわついて、ノートに殴り書きで長い日記を書きました。たぶん明日、人生をかける場所が決まるのだろうとの予感がありました。

 

 

翌朝、いつになく高ぶった気持ちで身支度をしていると、仲介業者さんから電話が入りました。なんと見せてもらう予定だった第2グリーンビルの物件が他の人に決まってしまったとのこと!

 

張り詰めていた気持ちの糸が切れ、一瞬で脱力しました。もう入れないと知って初めて、第2グリーンビルで働いている自分のイメージが心の中ですでに出来上がっていたことに気付きました。

 

呆然とする私に仲介業者さんは続けて「その代わりに第5グリーンビルの空き物件を見せてもらえるそうです」と言ってくれましたが、私はすっかり落胆していました。

 

前夜の高揚感も完全に消え失せ、今日も徒労に終わるのかと思いながら重い足取りですすきのに向かい、いつも同行してくれる友人と仲介業者さんと合流し、第5グリーンビルに向かいました。

 

第5グリーンビルは立地調査で何度も見て知ってはいたのですが、入り口に立つと改めて小さくて古いビルだなぁと思いました。第2グリーンビルで働く可能性を断たれ、完全にネガティブモードに入っていました。

 

妙に狭いなぁと思いながらエレベーターに乗り込み、5階で降り、ドアを開けた瞬間、息を飲みました。

 

内装は古く、明らかにスナックの造りではありますが、カウンター6席にソファーのテーブル席が二つと、私のイメージにぴったりの間取りだったのです。しかも第2グリーンビルの物件よりも狭いので家賃も安い! 

 

改めて考えると第5グリーンビルはすすきの駅より北側にあり、1フロアにある店の数が少なく、一階には有名ジンギスカン店と寿司店が入り、ちょっと古いことを除けば第2グリーンビルよりもずっと当初の理想に近い物件でした。

 

「ねぇねぇ、ちょっと、いいと思わない?」と浮ついた感じで友人に尋ねると、「うん、いいよね!」と、いつも冷静沈着な友人の反応も明らかに今までとは違います。

 

ただ、内装がかなり古いのと、椅子の色が紫なのがちょっと…… と思っていたら、ビル側の負担でシンクを入れ替え、配管も取替え、厨房の壁は塗り替え、床も新しいものに直し、ソファーの布や壁紙も私の希望のものに張り替えてくれるとのこと!

 

信じられないくらいの好条件に、なにか裏があるのではと不安になり、グリーンビルの担当の方にしつこく聞きましたが、特に落とし穴があるようにも思えず、その場で契約したいくらいでしたが、次の物件を見せてもらう約束もあったので、前向きに検討したい旨を伝えてバタバタと移動しました。

 

その後、何軒か見せてもらったのですが、第5グリーンビルの店を他の人に取られたらと思うと気が気じゃなくて、早く帰って契約に関する作業を進めたくて、そわそわと上の空でした。

 

 

物件探しを始めてからずっと思っていたことがありました。私の予算では完全に満足できる物件には出会えないだろうから、ある程度の妥協は必要だろうし、きっと契約する段になっても迷いと悔いは残るのだろうなと。

 

しかし今回はもはや迷う気持ちはみじんもありませんでした。ここが私の運命の場所なのだと確信しました。

 

物事を決断することが苦手な私ですが、運命が大きく動く時はいつも、風に乗って運ばれるように一気に決まってきました。今回もその風が吹いたのだと思いました。

 

 

それが2014年3月13日のことでした。その後すべてがスムースに進み、友人達の協力もあって二ヵ月後の5月12日には無事開店の日を迎えました。

 

縁とは不思議なものですね。もしも第2グリーンビルがまだ空いていたら、あの日のタイミングでグリーンビルの物件を見に行かなかったら、この場所で店を開くことはなかったのでしょう。

 

ただの偶然かもしれないけれど、冬の利家の日々と前夜の覚悟がこの幸運を引き寄せたのだと思いたい。

 

 

こうして私は、良店が多く風情ある都通沿いの、古くもこじんまりと暖かいこの第5グリーンビルにたどり着くことができました。

 

場所もビルもこの上なく最高なのだから、ここで繁盛させられなかったらすべては私の責任、言い訳は通用しないと思いました。

 

 

その後3年数ヵ月にわたり、楽しくも一生懸命営業を続けましたが、力及ばず閉店となってしまいました。

 

しかし、こうして物件探しの苦難の日々を思い返すと、私のごとき輝かしい経歴もコネもない人間が、子供の頃からの憧れの街すすきので、こんなにも理想と合致する場所で、3年以上に渡り店を続けられたことの奇跡とありがたさを改めて痛感します。

 

ああ今日も仕事か、職場に行きたくない、と思いながら嫌々働く人も多いのに、私は毎日スキップを踏むように出勤し、仕事の日も休みの日も変わぬ精神状態で楽しく生きることができました。

 

苦しかったこともないわけではありませんが、それはすべて私自身の力量不足を歯がゆく思うが故のことでした。

 

この店での日々は、結果的に閉店に至ってしまったことも含めて、我が人生の大きな糧となりました。

 

40歳で店を開き、気がつけば44歳になりました。日本人女性の平均寿命を考えると、春道堂にいた間に人生の折り返し地点を過ぎたことになります。

 

もう44歳、されど44歳、人生まだまだこれから。今回の経験を活かし、より楽しくより強く生きてゆかなければ!

2018年

2月

20日

春道堂への道③

ずいぶん日が空いてしまいましたが、前回からの続きです。

 

……

 

すすきので物件探しを始めて数ヵ月、ついに理想に近い店舗を発見した私はいつものように友人のPに同行を頼み、内覧に向かいました。

 

もしかしたら今日中に契約が決まるかもしれないと期待しながら向かったのですが、ドアを開けた瞬間に激しく落胆しました。

 

内装があまりに古く汚く、排気設備もなく、営業できる状態にするにはかなりの改装費用がかかると分かりました。あんなに良い場所なのに家賃があんなにも安かったのはそのせいだったのかと。

 

物件を見終えて仲介業者さんと別れた後、Pと一緒に近くのサイゼリアに入りました。安いワインを飲みながら二人、しかめつらですすきのの地図を眺めていました。この日の物件には大いに期待していた分、私の気持ちはひどく沈んでいました。

 

落ち込んでいてもどうにもならないとの友の提案で、考えを整理することにしました。

 

1、今ある物件の中から妥協して物件を決める

 

2、納得のゆく物件が出てくるまで待つ

 

友は地図にそう書き込みました。

 

「このどっちかしかないよね。どっちにする?」

 

ペンで文字を指しながらそう問われ、私はしばし腕組みをして考えました。

 

「まず1はだめだな。開店を焦って、妥協で選んだ物件で店を開いてはいけない気がする」

 

「じゃあ待つ?」

 

「う~ん、待つのも嫌だな。条件に合う物件を待っていたら、永久に店なんて持てないかもしれないし」

 

待てば条件に合致する物件が必ず出てくるとも限らないし、そもそも「待つ」という言葉自体が消極的な感じがして嫌だと思いました。

 

「でもこのどっちかに決めなきゃ。妥協したくないなら待つしかないよ。どうする? 妥協する? 待つ?」

 

いつまでも待ち続けるのは嫌だ、でも、妥協した場所で店を開くのはもっと嫌だ。選択肢はこの二つしかないことも分かっている。どっちも嫌ならどうすればいいのか…… 

 

「いや、利家で」

 

ワインの酔いも手伝って、しょうもない冗談が口を突きました。あまりのくだらなさに二人とも面白くなってしばし笑い続け、地図に利家と書いてはまた笑いました。

 

その後、ワインを立て続けに飲み、憂さ晴らしにバーに向かいさらに飲みました。飲んでいるうちにだんだんと吹っ切れた気持ちになってきました。

 

物件選びを妥協するつもりはない。現段階で条件に合う物件がないのなら待つより他にない。しかし、ただ座して待つだけではなく、私にもやれることもあるのではないか。

 

まずはもっと積極的に情報収集をしよう。ネット物件探しを続けることはもちろん、すすきののビルの一つ一つに入ってチェックし、条件に合致しそうな所をすべて洗い出して、仲介業者さんに空き物件を調べてもらおう。

 

 

やるべきことが見えて来た途端に、折れかかっていた心がしゃんと直り、俄然気合が入り、仕事の後に毎日のようにすすきののビルチェックに繰り出しました。

 

時は厳寒の2月、マイナス10度を下回る夜のすすきのを何時間もさまようのは辛いことでしたが、目指すことに向かって行動している実感があり、仲介業者さんからの連絡を待つだけだった頃よりもずっと気が楽になりました。

 

ビルのチェック項目は以下のとおりです。

 

・一人で営業できる小さな店舗がある

・トイレは男女別&清潔

・36号線の北側。南側なら一丁まで

・ビルと周辺の雰囲気が明るい

・空きテナントが少ない

・近隣やビル内に露骨な風俗店がない

・人気店、有名店がテナントに入っている

 

この中で最も重視したのはトイレでした。驚くことにすすきのの古いビルには男女共用のトイレがいまだに多く存在します。男女別でも薄暗かったり、汚かったり、和式しかないところも多いです。

 

お酒を飲めば当然トイレも近くなります。私ならトイレが汚い店には飲みに行きたくないし、やむを得ず店に入ったとしても尿意を催した途端に会計をして店を出ます。

 

なによりビルのトイレは私も毎日利用するのですから、使うたびに不快を感じるようなところは絶対に嫌です。トイレだけは絶対に妥協しないと心に決めました。

 

 

今回のビルチェックから外れた物件は今後紹介があったとしてもスルーするつもりですから、後悔することがないよう、北は南2条から南は南7条まで、西は1丁目から7丁目までと広め範囲に設定し、その内にあるビルを一つ一つチェックしようと思いました。

 

仕事が終わると地図と二色の蛍光マーカーを持って夜のすすきのに繰り出しました。季節はちょうど雪まつりのころ、夜にはマイナス10度を下回る日も多く、一年で一番寒い時期でした。

 

分厚い上着を着こんで、マフラーをきっちり巻いて、雪よけの黒い中折れ帽を被って、地図を手にビルからビルへと渡り歩いては女子トイレを覗き込みました。

 

新規のお客さんに男性と間違われことも度々あった私ですから、着膨れた姿で女子トイレのドアを開けて回る行為はなんとなく後ろめたく、女子トイレ覗き魔出没事案で通報されるのではないかとひやひやしました。

 

それでも強い意志で気になるビルのすべてのトイレをチェックし続けました。(おかげですすきのビルのトイレ事情に異様に詳しくなりました)

 

一つのビルを見るごとに地図を開き、かじかむ手でマーカーのキャップをはずし、条件に合うビルはオレンジで、却下のビルは青で塗り、数日かけて調査を終了しました。

 

結果、地図のほとんどが青く染まり、オレンジはところどころに点在する程度でした。条件は合っていても感覚的にしっくりこないところを却下すると、残ったのはすすきの界隈に何百とビルがある中でほんの10前後でした。

 

正直、ここまで条件に合致する物件が少ないとは思っていなかったので、さすがに気が滅入ってきました。

 

気になるビルのリストを仲介業者さんに渡して、このビル内に空き物件があれば見たいとお願いしたところ、すすきのの一等地・第2グリーンビルに空きがありとのことで、早速、内覧に向かいました。

 

実はビルの調査を進めていた中で断トツに印象が良かったのはグリーンビルの系列でした。グリーンビルはどこもトイレがきれいで、ビル全体の雰囲気が明るく、入っているお店にもにぎわい感がありました。

 

仲介業者さんとグリーンビルの社員さんと待ち合わせ、エレベーターで上階に上がり、物件のドアを開けてもらった瞬間、息を呑みました。今まで見てきた物件とは明らかに毛色が違うのです。

 

内装はきれいなので改装せずにすぐに開店できそうですし、間取りも私の理想にかなり近かったのです。

 

ビルの担当の方が丁寧に説明してくれたのも好印象でした。それまでたくさんのビルを見てきましたが、管理の方が仲介業者さんに鍵を渡すだけのところがほとんどでしたから、内覧の段階からこんなに親切な会社なら入店してからも安心だろうと感じました。

 

物件探しを続けて来て初めて、ここなら入ってもいいかもと思える物件に出会え、心が躍りました。

 

ただ、家賃が予算を大幅に超えていました。場所も内装も大変良いので家賃が高いのも仕方がないのですが、食べ物や酒の値段、一人で対応できるお客さんの数から逆算して家賃の予算を決めていたので、あっさりと上方修正しては開店後にしわ寄せが来ることは目に見えています。

 

帰宅後もしばらく悩んだ末、第2グリーンビルの物件は一旦あきらめることにしました。完全に候補から外したわけではなく、他の物件も探し続けながら、じっくりと考えようと思ったのです。

 

本当によい物件だから、もたもたしていたら他の人に取られてしまうかもしれないけど、そうなったらそうなったで縁がなかったとあきらめるしかないと覚悟を決めました。

 

 

その後も仲介業者さんが紹介してくれる物件をいくつも見に行きました。家賃の安いところも多かったのですが、立地、内装、トイレ、雰囲気、どれもが第2グリーンビルと比べると明らかに見劣りしました。

 

他の物件を見れば見るほど、私の心は徐々に第2グリーンビルに傾いて行きました。

 

 

つづく……

 

2018年

2月

18日

劇的ビフォーアフター

こんばんは、中村です。小平選手金メダルおめでとうございます!

     

2月10日に無事に店の撤退を終了し、店から運び込んだ荷物にワンルームの部屋を占領されて大変なことになっておりました。

なんと言う…… ことでしょう……

 

 

正直、この状態から自力で普通の暮らしを出来る状態に持っていけるとは思えず、しばし途方にくれましたし熱も出ました。

 

それでもめげすに自宅にいるときはずっと荷物の片付けと大掃除をしておりました。

 

私にとっては大変苦手な作業なので、閉店後の店の撤収作業から続く終わりの見えない片付けの日々に心身を消耗し、何度もこの汚部屋を放置して逃亡したくなりましたが、オリンピック中継がその間の心の支えになってくれました。

 

スキージャンプやスノーボートなどの命に関わる恐ろしい競技に取り組む選手に比べたら、汚部屋の掃除などたやすいこと。そう自分を鼓舞しました。

 

 

途中、実家に帰ったり、親族のお通夜と葬儀があったりして、度々自宅を離れましたが、寝ている間以外は昼も夜も掃除と片づけをし続け、17日の午前中にはついにここまで来ました。

なんと言うことでしょう! 

 

 

一人でここまでやれた自分を褒めてあげたいです。閉店後の半月の間ずっと、掃除と片づけをしていた気がします。本当に疲れた……

 

 

17日の午後には本州からお友達が来て、この部屋で一緒に羽生選手と宇野選手のフリーの演技を見届け、夕方からは一緒にコンサートに出かけました。

 

記念すべき金銀メダル獲得の瞬間をリアルタイムで見た後に素敵なコンサートの鑑賞なんて、あまりに嬉しく、楽しく、心浮き立つ、まるで人生のごほうびのようなすばらしい一日でした。

 

 

店から持ち込んだ荷物も大体片付き、これで本当にすべてが完了した気がします。私もそろそろ新たな人生に向かって踏み出さなくては!

 

その前に、気持ちの整理もかねて、予告していた春道堂への道を完結させます。

 

 

春道堂を閉店して半月を過ぎました。今でもこちらを見てくださる方は、私の個人的な知り合いとごく親しいお客様ばかりと思うので、今後は個人ブログのつもりで自由に書いてゆきます。

 

興味のある方だけ、今後もお付き合いいただけたらと思います。

 

2018年

2月

11日

明け渡しを終えて

こんばんは、中村です。またもやご無沙汰してしまいました。

 

昨日2月10日に無事に店舗の明け渡しも完了し、ようやくほっとしました。

 

私は整理整頓が不得手で、特にまだ使える物を捨てることが大の苦手で、そのためにずいぶん片付けに手間取ってしまいました。

 

なので1日から撤収作業をしていたにもかかわらず、時間が足りなくなって最後の二日間は店に泊り込み、朝晩となく作業を続け、叔父や友人達にも手伝ってもらって何とかギリギリで間に合った感じです。危なかった……

 

これが閉店直後の2月1日の写真

そしてこちらがすべての備品を撤去した後の明け渡し直前の写真です。

こんな店だったんだ! 完全にスナックにしか見えない……

 

最終日、明け渡しの時にはお掃除お手伝いの友人二人も立ち会ってくれました。おかげで空っぽになった店で最後の乾杯もでき、さびしさも軽減され、さわやかに店から立ち去ることが出来ました。

 

鍵を返した後に3人で雪祭りのすすきの会場で氷像を見てきました。

毎年楽しみにしている魚の入った氷像は今年も健在でした。

 

この写真は開催初日の5日に撮影したものなのできれいですが、10日は気温が高く、結構溶けていました。

 

氷像は好きなので店を開けて以降毎年一人で見に行っていたのですが、やっぱり人と一緒に見るほうが楽しいですね。

 

雪祭りを見た後は、友達の夫が家まで送ってくれ、快適に帰宅することが出来ました。最後の最後までお世話になりっぱなしで、人の情けが身にしみました。

 

ワンルームの部屋が店から運び込んだ大量の荷物で足の踏み場もない状況なので、帰宅後すぐに整理を始めたのですが、なんだか悪寒がしてきて、体温を測ると微熱があったので、布団を敷くスペースを空けて、たまった録画やオリンピックを見ながら早い時間から横になっていました。

 

一晩寝たらすっかり熱も引き、今日の朝にはとてもすっきりしていました。すっきりと言うか、久しぶりに正気を取り戻したと言うか。

 

1月は毎日たくさんのご予約をいただき、すべてのお客様をミスなく全力でお迎えすることに精一杯で、2月に入ってからは疲労と達成感で数日放心し、その後は撤収作業に追われ、明け渡しを終えて熱が上がって下がって、ようやく通常の私に戻った感じです。

 

なんだか1月から昨日までのことがすべて夢、というか、連日連夜続く祭りだったような気がします。

 

いや、この私が憧れのすすきのの店主になれたこと自体が夢のようなもので、開店から昨日までずっと祭りだったのかもしれませんね。

 

 

さて、大変に今更ではありますが皆さま、改めて春道堂へのご愛顧、本当にありがとうございました。

 

この寒い中わざわざお店に来てくださるだけでもありがたいのに、平日まで毎日満席になるなんて、なんとすごいことだったか!

 

また、閉店に際してはたくさんの贈り物や過分なるお褒めのお言葉、メールやお手紙も頂戴しました。

 

しかしながら、一月の後半は疲労困憊していることも多く、皆さまからのご厚情に対して、きちんとお礼を申し上げられていたのか、いささか不安でもあります。

 

もう直接お目にかかってお礼を申し上げることが出来ないのが申し訳なく歯がゆくありますが、本日改めてここにお礼申し上げます。

 

 

 

昨年の夏に閉店を決意したころはお客様が一人も来られない日も多く、私の何がダメなんだろう、店の何を変えればいいのだろうと、自分と自分の店を否定するばかりの毎日でした。

 

しかし、最後の最後に連日満席の大盛況となり、春道堂はこんなにもたくさんの素敵なお客さんに愛されていたのだと気付けたおかげで、一度は失った自尊心を取り戻すことが出来ました。

 

使い古された言葉ではありますが、やはり声を大にして言わずにいられません。

 

 

春道堂の半分はやさしさで出来ています

 

 

と!

 

お客様、友達、親族、業者さん、グリーンビルの社員さん、開店前から閉店後まで、たくさんの人が応援し支えてくださったおかげで、すすきの感ゼロの私が3年8ヵ月もの間、営業を続けることができました。

 

皆さま本当にありがとうございました! 

 

春道堂に関わってくれた全員の人生に幸多かれと心よりお祈り申し上げます。

 

2018年

1月

17日

春道堂への道②

春道堂への道はかつてこのブログで連載していた物件探しから開店に至るまでの道程のお話です。

 

閉店が迫った今だからこそ、あの頃の気持ちを振り返りたく、加筆修正のうえ再掲いたします。

 

 

前回からの続き】

 

2013年秋、出店場所をすすきのに定めた私は立地調査と周囲へのリサーチを始めました。その結果、すすきの駅から南側進めば進むほど風俗店や男性向けの店が多く、女性にとっては行きにくい場所であることがわかりました。

 

今回の店舗コンセプトが「自分の友達がやっていたら嬉しい店=友達が来やすい店」ですから、女性が気軽に飲みに来られないような場所じゃ意味がありません。出店場所はすすきの駅の北側か、南側なら一丁くらいまでの範囲に絞られました。

 

目指す場所が決まったら次はいよいよ物件探しです。前の店探しの時にもお世話になった常口さんに頼むことにしました。

 

私は日ごろは慎重な方ですが、勢いがつくと一気に突っ走ってしまうところもありので、衝動契約防止と客観的意見の担当として、友人のPにも同行してもらうことにしました。

 

まずは電話で約束を取りつけ、緊張しながらPと二人、仲介業者さんの事務所に向かいました。担当の方は温厚そうな男性で、すすきのの物件探しに緊張し怯えていたのでほっとしました。

 

まずは希望の立地条件と一人で出来るような小さい店を探していると言うと、すぐにパソコンを開いて物件を検索してくれました。

 

もしかしてすぐに決まっちゃったりして…… と甘い期待を抱いていましたが、私の希望に合う物件は想定よりもはるかに家賃が高く、いきなりの前途多難ぶりに衝撃を受けました。

 

でもまぁ、初回だし、そんなもんかと思いなおし、立地条件は一旦はずして、予定していた家賃額に合う物件をピックアップしてもらったところ、駅からそう遠くないビルの物件がいくつか出てきました。

 

今すぐに中を見せてもらえるという話なので、早速3人で徒歩で向かいました。

 

3軒ほど見て回りましたが、どこも内装が汚れていたりセンスがひどかったりと、大掛かりな手直しが必要な状態で、駅からも遠すぎて一つとしてしっくり来ませんでした。

 

落胆しながらも、今後良い物件が出てきたらお知らせくださいと伝え、その日は帰宅しました。

 

その後も仲介業者さんは度々物件を紹介してくれましたが、広ければ家賃が高く、狭いからと言って家賃が安いとも限らず、場所が良くて家賃が安ければ大幅な改装が必要で、安くて内装がきれいなところは駅から遠い上にトイレが男女共同だったりと、どの物件も帯に短したすきに長しでした。

 

店を開くならすすきのしかないと心に決めての物件探しでしたが、いくつ見ても理想からかけ離れたものばかりで、今の私ではすすきのに店を持つなど不可能なのかもしれないと、心が折れそうになりました。

 

しかし、私のやりたいことを実現できる場所は北海道内にはすすきのしかないと言うことは、前の店の失敗を踏まえ、考えに考えた末にたどり着いた結論です。いまさら他の場所で探す気にはなれません。

 

物件探しだけは自分の努力ではどうにもならず、やりたいことは決まっているのにまったく先が見えない日々は歯がゆく苦しいものでした。

 

開店してしまえばメニュー開発や販促活動など、やれることがたくさんあるけど、条件に合うものが見つからなければ永遠に店を開くことはできません。

 

仲介業者さんからの電話をただじっと待つのも辛いので、なにかヒントが見つかるのではないかと仕事の後にすすきのに向かって闇雲に歩き回りました。

 

物件探しを始めた頃は秋でしたが、すでに季節は真冬に突入してました。絶え間なく歩いていても身体は冷え切り、時々ビルに入り込んでは暖を取っていました。

 

そんなことを繰り返し、あるビルに一歩入った途端にその暖かな雰囲気に魅了されました。

 

駅からほど近く、通路もトイレもきれいで、営業中の店はにぎわっていて、物件探しを開始してから初めて、ここで店を開きたいと思える場所に出会えました。

 

しかもいくつか空き物件があるようなので、相当家賃が高いのだろうなと思いながらも、仲介業者さんに聞くだけでも聞いてみようと翌日メールを送りました。

 

すぐに仲介業者さんからの返信メールが届いたのですが、添付資料を見て衝撃を受けました。あんなにいい場所なのに、今まで見た物件の相場からは信じられないほど家賃が安かったのです! 

 

これは運命かもしれない! もうここで店を開くしかない! 

 

完全に舞い上がった私はすぐに友人Pに同行を頼み、期待に胸を高鳴らせながら内覧に向かいました。

 

つづく……

 

2017年

12月

31日

今年も1年ありがとうございました!

こんにちは、中村です。春道堂は12月31日から1月2日までお正月休みをいただきます。

 

新年初営業日は1月3日ですが、ありがたいことにご予約にて満席でございます。1月4日以降のご予約やお問い合わせはお正月休み中も大喜びで承りますので、どうぞお気軽にご連絡願います。

 

おかげさまでこの12月は春道堂史上最高に盛況なひと月となりました。今までに経験したことのない膨大なご予約数に、最後まで体力が持つだろうかとの不安も実はありましたが、最終日まで体調を崩すこともなく、心身ともに万全の状態で楽しく営業できたことにほっとしております。

 

 

さて、すでにお知らせしておりますように、春道堂は来年1月31日で閉店となります。語り好きの私ではございますが、閉店についての詳細はブログではあまり語らずに来ました。

 

これは、閉店が決まってもお客様にはいつものように楽しい時間を過ごしてもらいたいとの思いと、私自身が閉店の寂しさ、悲しさからなるべく目を背け、閉店の直前までいつもとかわらず楽しく働きたいとの思いからでした。

 

しかし多くのお客さまに閉店の理由や閉店後のことを尋ねられ、みなさんが私のこの先を気にして下さっていることを痛感しました。

 

年内最終のブログですし、本日より3日間お休みになりますので、この機会に閉店についての話をきちんとしようと思います。

 

 

……

 

 

閉店を発表した後、多くのお客さんや友人に「実家に帰るの?」「入院でもするの?」「移転するの?」と尋ねられました。

 

飲食店は突然閉店するところが多いのに、ずいぶん早くから閉店を発表したので、色々な憶測を呼んでしまったのだと思います。

 

早めのお知らせとなったのは、数ヵ月先のご予約を入れてくださるお客様も多いので、閉店日が決まったらすぐにブログにてお知らせしたのでした。

 

退出の3ヵ月前にはビル側に伝えねばならないので、1月末の閉店日は10月中に決めました。

 

閉店の理由はひとえに私の力不足です。経営的な問題で夏頃から店の進退を考えはじめました。

 

夏は好きな季節なのに頭の中は焦りと不安でいっぱいで常にうつむいていたので、外を歩いても空の青さや風の生ぬるさを味わう余裕もなく、今年の私には夏が欠落していたような気がします。

 

命乞いをするような真剣さで日々起死回生策を考え、色々と試してみたりもしましたが、根本的な経営状態の改善には至らず、閉店の覚悟を決めたのは夏が終わる頃でした。

 

白髪が増え頭が少し薄くなるくらい悩み抜いた末の結論なのに、本当にもうこの店に来られなくなるのだと思うとつらくてつらくて、正式に閉店日を決めることがどうしてもできませんでした。

 

「テレビに取り上げられれば」

「有名人でも来てくれたら」

「毎週貸切をしてくれる人が現れたら」

 

そんな夢みたいなことを考えて、一発逆転を妄想して、ビルへの退店の連絡を1日1日先延ばししていました。

 

お客さんがいる時は元気に過ごせても、店でも自宅でも一人でいると、常に気持ちがどんよりとしていました。

 

店主としてもう畳むしか道がないと判断したのに、個人としての私が感情的な理由で必死に閉店に抵抗していました。

 

自分が二つに分かれてお互いを攻撃しあうような日々は心を蝕み、鏡に映る自分の顔から徐々に覇気が失われて行きました。

 

そんな期間がしばらくあった後なので、閉店日を決めてビルに連絡をするころには、かなり気持ちも吹っ切れていました。

 

閉店はやっぱりどうしたって悲しいですが、残りの3ヵ月、最後の一日まで春道堂をより良い店にするための努力を続けようと、前向きに考えられるようになりました。

 

 

閉店を発表してから、驚くほどたくさんの方に名残を惜しんでいただき、信じられないほどたくさんのご予約をいただき、過分なるお褒めの言葉もいただき、本当にありがたい限りです。

 

だけど、お客さんが悲しむと私もまた悲しくなります。

 

こんなにたくさんのお客さんが春道堂を愛してくれているのに、どうして畳まなければならないのだろう。どうにかして続ける方法があったのではないか。

 

吹っ切れたはずなのに、今でもしつこくもやもやします。

 

 

 

恥ずかしながら今回は私にとって二度目の閉店です。前回は2010年の11月末、6年半続けたごはん屋のような喫茶店のような店を閉めました。

 

前回の閉店時に駆けつけてくれたお客さんが、今回の閉店時にも予約して来て下さいました。なんともありがたくもったいなく、情けなく申し訳ないです。

 

もうこんな気持ちになるのは今回で最後にしたいと強く思います。もしも私がまた店を開くことがあれば、今度は死ぬまで畳みたくはありません。逆に言えば、死ぬまで続けられないような店ならば、二度とやりたくありません。

 

 

前回の店は29歳の時に会社を辞めて入った調理学校の同級生と3人で始めました。調理学校卒業と同時に開店と言うとなんかかっこいいですが、今になって思えばあまりに愚かで安易で幼稚で、飲食業をなめきった開業でした。

 

出資者で責任者は一番年上の私でしたが理念的には3人対等の共同経営という形で運営し、店のコンセプトやデザインをすべて考えたのは同級生のうちの一人でした。

 

しかしその人は開店して半年後にもう一人を連れ前触れもなく店を去り、後には借金とオレンジ色のポップな内装の店とそれとは明らかに不似合いな私だけが残されました。

 

すべての名義人であり店主である私は逃げるわけには行かず、素の自分を封印し、店に自分を合わせ、必死に接客や調理を続けた6年間でした。

 

 

 

前回は他人の作った敷いたレールに乗って窮屈な思いをしたので、今回の店では徹底的に自分の理想だけを追求することを心に決めていました。

 

・完全女性向け

・店内禁煙

・子供の入店制限

・2名から利用できるコース

・苦手な食材の確認

・ご要望や会の趣旨に沿ったメニュー構成

・一組ごとのお品書き

・飲み放題時間の明示

・ビールの泡にスタンプ

・かわいい前菜

・個別の盛り付け

・しっかり手をかけた宴会料理

・余ったお料理のお持ち帰り

・〆に甘いものと温かい飲み物が出る

・お席の時間を制限しない

・飲み放題と飲み放題以外を個別に選べる

・曜日に関わらず予約すれば確実に利用できる

 

 

これはすべて、消費者としての私がこんな店があったらいいなと思っていたものです。こうして改めて見返すと、春道堂は本当に良い店だ、行けるものなら私が行きたいと心から思います。

 

妥協せず、他者の意見に流されず、この3年半自分自身の想いだけに忠実に、思う存分自由に楽しくのびのびと店舗運営に取り組みました。このことには一つとして悔いはありません。

 

しかし、楽しくて良い店なだけでは経営は成り立ちません。経営が成り立たなければ店を畳まざるを得ず、店を愛してくれたお客様に悲しい思いをさせてしまいます。お客さまに愛される店であるほど、閉店を悲しむ人は増えます。

 

店は長く続けることこそが、なにより大切なのだと痛感しました。

 

 

 

春道堂を畳んだ後は、自分の理想と経営を両立させる方法を探る旅に出ようと思っています。

 

旅と言うのはあくまで比喩で、流れ者の料理人になるわけでも遠くの街に引っ越すわけでもなく、おそらく札幌市内のどこかで働きながら、調理と経営の勉強を続けるつもりです。

 

そしていつか、私の理想からぶれないまっとうな料理を提供し、誠実な営業をしつつ、精神的にも肉体的にも経済的にもゆとりをもって働けるお店の構想を作り上げることが出来たら、店主として再び飲食業界に戻って来たいと思います。

 

 

 

この春道堂を毎日ご予約でいっぱいの大繁盛店にすることが私の夢でした。12月はまさにそんなひと月でした。

 

閉店直前になって、いや、閉店直前だからかもしれませんが、12月はその夢がかない、本当に喉から血が噴き出すほど大声で叫びたいくらい嬉しいです。

 

春道堂の店主として過ごせる時間もついに残すところひと月限りとなりました。

 

1月もすでに多くのご予約をいただいております。1月31日の最終営業日まで、春道堂らしく、みなさんの心に長く残るような、おいしくまっとうなお料理とあずましい空間をご提供したいと思っております。

 

 

最後になりましたが、今年も大変お世話になりました。終わりよければすべてよし、私にとって生涯忘れられない、すばらしい一年となりました。

 

おかげさまで最高に良い気分で良い正月を迎えられます。心より御礼申し上げます。

 

来年がみなさまにとってよりよい一年となることをお祈りいたします。

 

それではみなさま、良いお年を!

2017年

12月

21日

春道堂への道

こんにちは、中村です。かつてこのホームページで、私がすすきので店を持つまでの紆余曲折を連載しておりました。タイトルは「春道堂への道」。

 

思うところあり完結後しばらくしてから削除したのですが、来年一月末の閉店が近づき、皆様に店主としてお話しできる期間も残り少なくなって来ました。

 

今こそ開店前の気持ちをもう一度振り返りたいとの思いもあり、加筆修正しつつ復活させることにしました。

 

ご予約情報の更新やお知らせの合間を縫って、不定期連載いたします。よろしければお付き合いを。

 

***

 

春道堂を開店したのは2014年5月のことでした。私を知る人のほとんどは、すすきので夜営業の店を始めることに驚いたと思います。

 

以前は2004年から2010年にかけて、地下鉄南北線北18条駅のそばでごはん屋のような喫茶店のような店をやっていたので、また飲食店をやるならごはん屋系統のお店だと思われていたことでしょう。

 

グリーンビルの本社で賃貸契約を交わした時、ビルの偉い人に「中村さんはすすきので水商売をやる感じじゃないねぇ」と言われたくらい、私はすすきのの店主には珍しいタイプの人間なのだと思います。

 

(ちなみにその偉い人には『まじめな人は好きだからがんばって』とも言っていただきました。私はたぶん眼鏡のせいで、まじめそうに見られがちなのです)

 

しかし、二回目の開業の場所にすすきのを選んだのは私にとって必然のことで、すすきの以外は考えられませんでした。

 

話は28年前の秋にさかのぼります。

 

…… 

 

当時高校一年生だった私は、翌日のいとこの結婚式に備えて札幌の伯母の家に泊まっていました。

 

伯母宅には私の父母はもちろん、たくさんの親戚が集まり、大人は酒を酌み交わし、私もいとこ達とおしゃべりを楽しんでいました。日付が変わったころ、その家の伯母が急に出かける準備を始めました。

 

伯母はすすきののビル掃除のアルバイトをしており、本来ならば朝からの仕事なのですが、翌日は自分の息子の結婚式なので、深夜、すべての店の営業が終わったころにすすきのに向かって掃除をするとのことでした。

 

夜のすすきのに興味があった私は掃除の手伝いを買って出て、伯母ともう一人のいとこと共にタクシーに乗り込みました。

 

伯母の家は南区の奥の住宅地にあり、時間も時間なので街灯以外の明りは少なく(当時は郊外型の深夜営業の店はそんなになかったのです)、薄暗い中をタクシーは進みました。

 

しかし、豊平川にさしかかるあたりから、徐々に雰囲気が変わり始めました。タクシーの向かう先の空が不自然なほど明るいのです。得体のしれない興奮で胸が高鳴ってきました。

 

そしてすすきの交番付近でタクシーから降りた時の衝撃たるや!

 

1時を過ぎた深夜、私の地元の赤平市なら肉眼で流れ星がいくつも見えるくらい真っ暗な時間なのに、すすきのはネオンが瞬き、数多くの老若男女が楽しげに闊歩し、酔客の笑い声や客引きの大声が響き、さながら昼のようでした。

 

不夜城。と言う言葉が頭をよぎりました。

 

その後、すすきののど真ん中のビルで清掃を手伝ったのですが、作業自体はほとんど覚えていません。おばさんは毎日大変だなぁと感じたくらいです。

 

しかし、その時見聞きしたバーのママさんと伯母の会話、まだ帰らない酔客がママさんにくだを巻く姿、暗い店内と赤いスツール…… 

 

ビルに充満する濃厚な夜の気配は強烈に刺激的で、田舎育ちの16歳は心を奪われました。

 

あまりの衝撃に、翌日の帰宅後、夜遅くまですすきのを賛美するポエムをしたためたほどでした。

  

 

あの日からすすきのは私にとって最大のあこがれの地になりました。いつか、何らかの形で、この街に関わるようになりたいものだと強く思いました。

 

その気持ちは大学進学で京都に行っても、就職で室蘭に住んでも、心の奥底で常にうごめいていました。

 

 

あのビル掃除の夜から28年後に、まさかこの私が本当にすすきのに店を持つことになろうとは! 正直、そこまではまったく考えていませんでした。28年前の私にそっと耳打ちしてあげたらどれほど喜び、自らの運命に感謝することでしょうか。

 

もちろん、すすきのに店を構えた理由は単純なあこがれだけではありません。私なりに考え抜いてのことです。

 

一回目の店は周囲の意見と世の風潮に流されてしまったので、今回は「自分が行きたい店、自分の友達がやっていたらうれしい店」を絶対的なコンセプトに決めていました。物件を探すに当たっても、このことを第一に考えました。

 

もしも私の親しい友達が飲食店を始めるとして、どこでやってくれたら一番行きやすくうれしいだろうかと考えたら、一瞬の迷いもなく「地下鉄南北線札幌駅からすすきの駅の間」と思いました。

 

札幌市民が買い物やお出かけで行く場所といえば、札幌駅~すすきの駅の間が多いですよね? そして飲みに行くのって、買い物やお出かけの後が一番楽しいですよね? 

 

そしてなにより公共交通機関からのアクセスがいい! 南北線の住民はもちろん、東西線でも東豊線でもJRでも電車でも、地下通路を通れば雨の日も雪の日も濡れずに、寒い思いをせずにたどり着けます。冬場、できるだけ外を歩きたくない北海道人にとって、これはとても嬉しいことです。

 

 

また、今回の最初から大人の女性のためのお店にするつもりでしたので、禁煙やお子様の入店制限は開店前から決めていました。(ちなみに男性客の制限はトラブルが頻発して以降のことで、最初は明確に拒絶していませんでした)

 

住宅街で近隣住民を相手に飲食店を経営するなら、老若男女さまざまなご要望に対応せざるを得ず、女性向け、完全禁煙、子連れの制限などのとがった営業はやりにくいと思いました。

 

しかし、たくさんの人が入れ替わり立ち替わり訪れるすすきのでなら、私の理想とこだわりを貫き通すことが出来ると思いました。

 

そんなわけで、札幌駅からすすきの駅の間に絞って物件を探し始めてすぐに、札幌駅と大通り駅は候補から脱落しました。私が一人で運営できる小さくて家賃が手ごろな店舗物件があるのは、すすきの近辺だけだったのです。

 

そこからは仕事の後に毎日のようにすすきのに通い、全力全開で立地調査を開始しました。

 

季節は晩秋から厳冬にかけて、外を歩くには一番辛い季節でしたが、尋常ならざるすすきのフェチの私ですから何の苦もなく、一日ごとにすすきのに詳しくなっていく自分が誇らしくもありました。

 

 

つづく……

 

2017年

11月

30日

ありがとう巨人の星

こんばんは、中村です。巨人の星の最終回、本日ようやく見終わりました。

 

最終回の放映は10月31日だったのですが、見たら私の巨人の星が終わってしまう寂しさともったいなさから、今日までひと月も引っ張ってしまいました。

 

 

飛雄馬は最後の打者の伴を打ちとって完全試合を達成するものの、無理を重ねてきた左手を負傷しマウンドで倒れ、父である中日の星コーチに背負われてグラウンドを後にします。

 

子供の頃に見たきりでもこのラストはだいたい覚えていましたが、数ヵ月真剣に見続けた末なので感慨もひとしおでした。

 

しかし完全試合達成と同時に興奮した観客がグラウンドになだれ込んで来たのはなかなかの衝撃でした。当時はファンがグラウンドに入るのは度々あったんですよね。今ならば絶対にありえないことですが。

 

しかもライバルの花形と左門に姉の明子までがグラウンドに侵入していました。明子はスカートでフェンスを飛び降りたのだろうか……

 

 

実は巨人の星の夢中になっていたこの夏は、閉店について悩んでいた時期でした。

 

すでに攻略されている大リーグボール1号2号を投げ続け、打たれれば落ち込み逃げ出す飛雄馬に、店への執着を断ち切れず閉店を決断できない自分を重ねていました。

 

 

父の一徹が中日のコーチに就任し、姉の明子が失踪し、陰に日向に常に飛雄馬を支えていた伴までが敵となり、守ってくれていた人たちが一人減るごとに、飛雄馬は強くなってゆきました。

 

虐待レベルの厳しさで一徹に野球を叩き込まれた飛雄馬は、長い間自分の意志で野球に取り組んでいなかったのかもしれません。だから打たれれば逃げるしすぐにあきらめて球界を去ろうとする。

 

しかし一人になって、真剣に野球に向き合ううちに、かつてのような甘さや情けなさも消え、顔つきや言動も変わり、求道者のような雰囲気をまとい始めました。

 

一徹が無理やり伴を飛雄馬から引き剥がした時は、なんてひどいことをするんだと思ったけど、いつもそばにいて甘えさせてくれる人がいる限り、飛雄馬はここまで成長できなかったことでしょう。

 

 

巨人の星は人間ドラマだから、飛雄馬という名はヒューマンから来ていると何かで聞いたのですが、まさにそのとおりと思いました。

 

一徹に背負われた飛雄馬が花形、左門、伴に拍手で送られ、姉の明子が見守る中グラウンドを去ってゆく時、本当にすばらしい人間ドラマに立ち会うことができたと私も拍手を送りたくなりました。

 

最後は「飛雄馬よ、栄光の星を掴んだたった今、この瞬間からお前自身の新しい人生が始まったのだ。(中略)しかしこれから先も己自身の道を立派に歩いてゆくじゃろう。新たな人生の星を目指して」と一徹のモノローグが入り、飛雄馬が夕日に向かって歩く背中に「完」の文字がかぶさり物語は終わります。

 

 

私もこの店ですごせるのはあと二ヵ月、今は日々の営業に全力で取り組むことに精一杯で、そのあとのことなど考えられませんが、閉店した直後から新たな人生が始まります。

 

私もがんばらねば。新たな人生の星を目指して。

2017年

11月

26日

百合と私

春道堂の冬の風物詩、創作百合根料理をコース仕立てでご提供する百合コース、今年も大変にご好評いただいております!

 

どうして百合根だけのコースを作ろうとしたのかをお客様に尋ねられることが度々あるのですが、それを説明するには祖父母の代から三代にわたる百合根との深い縁について語らねばなりません。

 

……

 

私の母の実家は代々米農家でしたが、母が子供だった頃に百合根も作りはじめました。

 

百合根の栽培には広大な土地が必要で大変な手間もかかるので、夏場は電気も水道も電話もない芦別の山の奥の小屋に祖父母が住み込んで百合の世話をしていました。

 

祖父が建てた青いトタン張りの小屋の入口に「熊出没」と書かれた看板が張られていたことを今でも印象深く覚えています。

 

私もたまに泊まりに行っていたのですが、明りはランプ、水道は湧き水を引いたもの、煮炊きは真夏でも薪ストーブに火をつけて行い、風呂は薪で沸かした屋外の五右衛門風呂、トイレは畑の中にある掘っ立て小屋でトイレットペーパーの代わりに少年マガジンを切ったものが置いてあり…… 

 

と、非常に野趣あふるる環境で、開拓当時の北海道移民そのままみたいな暮らしでした。

 

付近に街灯はなく、見える範囲に民家もなく、車もめったに通らず、日が落ちると小屋の外は漆黒の闇で、空には覆いかぶさってくるみたいに大量に星があり、またたく音まで聞こえそうなくらいでした。今になって思えば、ずいぶんと贅沢な体験をしたものです。

 

すでに祖父母も亡く、山奥の小屋も使わなくなりましたが、あの頃も今も百合根は高級食材です。女性の進学率が高くなかった時代、母は百合根のおかげで高校に行かせてもらえたと言っていました。

 

母が高校に進学できなければ郵便局に勤めることもなく、同じ郵便局員の父と知り合うこともなく、私が生まれることもなかったはずです。

 

私のお店も百合コースのおかげでたくさんの方にお店に来ていただけますし、三代に渡り私たちの人生を支えてくれている百合根には心から感謝します。

 

 

今でこそ百合根を深く愛する私ですが、偏食だった子供のころは百合根が好きではありませんでした。

 

うす甘い繊細な味は子供にはつまらなく、それ以上に百合の花の根っこだと思うと何となく気持ち悪くて、いくら高級食材だと言われてもありがたく感じられず、カレーにまで入っているのをよけて食べていました。

 

なので3年前に母から「良い百合根を農家さんから分けてもらえるので店で使うなら送るよ」とメールが来た時も、好きじゃないし使い道が少ないから断ろうと思いました。

 

しかし、その時たまたま百合根好きの友人と一緒だったため、百合根を使った百合根だけのコースを作ったらおもしろいかもと半分冗談で盛り上がり、ひと箱送ってもらうことにしました。

 

後日、届いた百合根を使っていろいろなお料理を作ってみたところ、これが百合根が苦手だった私もびっくりするくらい、どれも非常においしかったのです!

 

百合根は味に一切のくせがなく、火の通し方によってホクホクにもシャキシャキにも食感が変わります。裏ごしすれば繊細な味わいの百合根まんじゅうにもなります。

 

子供の頃は毛嫌いしていたけど、百合根というものはたいへんに料理のし甲斐がある素晴らしい食材なのだと、この年になって初めて気付きました。

 

しかもおいしいだけではなく栄養にもすぐれ、むくみ解消に効果的なカリウムや腸内環境を改善する食物繊維が多く含まれます。漢方では古くから滋養強壮、鎮静などに使われ、更年期の精神不調にも効果があると言われています。

 

百合根はまさに女性のための食材! 女性のためのお店である当店が百合コースを始めたのは、もはや宿命としか言えません!

 

 

ところで、なぜ百合根コースではなく百合コースなのかと尋ねられることがあります。

 

語感が良いせいもありますが、百合根があまりに身近だった私や母や親族たちは百合根のことを「百合」と呼んでいたので、私にとっては百合コースという名前のほうがしっくり来ます。

 

母に「百合あるけど送る?」と聞かれれば、花ではなく根の方だとわかりますし、百合と言う呼び名は、私たち百合農家の子孫にとって慣れ親しんだもので、いわば親愛の証です。

 

今こうしてブログを書いていても何度も「百合」と書いたあとに根を足して「百合根」にしているくらい、百合と呼ぶ方が普通なのです。

 

この話をしても信じてもらえないことがあり、どうしたものかと思っていたら、芦別の道の駅に寄った際に動かぬ証拠を見つけました。

ゆりね羊羹じゃなくてゆり羊羹!

 

やっぱり! 我ら親族だけではなく縁深い人は百合根のことを百合と呼ぶのが普通なんだ! 

 

これでようやく信じていただけますね。

 

 

そんな百合コースもご予約締め切りが近づいてきました。11月30日までにご予約いただけたら12月でも1月でも確実にご用意いたします。

 

12月以降は百合根のストックに余裕がある間はご予約を承りますが、集大成コースでも使用しますので、在庫が薄くなってきましたらご予約を終了させていただきます。

 

百合コースを食べられるのはおそらく世界で春道堂だけです。記憶に残るおいしさをぜひこの機会に!

2017年

10月

11日

本日も通常営業&恒例無駄話

こんにちは、中村です。今日は寒いですね。

 

最近携帯アプリの調子がおかしいことが度々あり、店からブログ更新が出来ずご迷惑をおかけしました。外出先からの更新が出来ないと本当に不便なので、ホームページの運営会社さんに改善をお願いしています。

 

ブログの更新できないときはツイッターでお知らせいたしますので、フォローしていただけたら幸いです。

 

店での更新ができなかったら困るので今のうちにお知らせいたしますが、本日は茄子を使ったシンプルなメニューを黒板に掲載する予定です。

 

農業一筋80年の芦別の伯父さんが丹精こめたおいしい茄子、お客さまに召し上がっていただけるのはこれが最後かと思います。ぜひご賞味いただきたい!

 

 

さて、度々申し訳ありませんが、再放送中の巨人の星の話を少し……

 

大リーグボール2号を打たれてからすっかり意気消沈し鬱モードに突入した飛雄馬は川上監督に退団を申し入れますが却下され、オールスター戦に出場します。

 

投手交代で飛雄馬がマウンドに立ち、ファースト花形、ライト左門の甲子園友情シフトで観客は盛り上がり、さらにスタンドでは一徹と伴が並んで飛雄馬を見守ります。

 

しかしすでに心が折れている飛雄馬は精彩を欠き、大リーグボール2号はパの強打者達に対策され消えず、集中力が命の大リーグボール1号は心の乱れから暴投となります。

 

花形&左門の友情の好守備で無得点に終わりますが、飛雄馬からは気力がまったく感じられません。左門などダイビングキャッチで眼鏡が壊れ裸眼でバックホームしてランナーを刺したと言うのに!

 

ちなみに左門は新宿の女番町京子への恋心を忘れたわけではなく、今でも苦しくて苦しくて、少しでも忘れんがために野球に集中していると告白します。花形だって明子のことを忘れたわけではないはず。

 

皆胸のうちに苦しみを抱えながらも、日々グラウンドで結果を出しているのに、まったく飛雄馬は一回打たれただけなのにいつまでぐじぐじ鬱々しているのか! ダルビッシュや大谷だってめった打ちされることもあるのに!

 

週5回の再放送で結末をわかっていてもこんなに飛雄馬にはいらいらさせられてしまうのだから、週一で見ていた当時の人たちはたまらなかっただろうといつも思います。

 

鬱モードに突入して以降、長々と父や野球への恨み言、自分への失望など、ネガティブな独り言ことばかりを電波に乗せて発信していた飛雄馬ですが、自分をかばって小指を怪我した京子の真心に触れ、川上監督や花形の叱咤激励を経て、徐々に心が動き始めました。

 

そしてオールスター二戦目への移動の新幹線で、飛雄馬たちは京子たちに再会。小指が動かない京子が下手で放ったりんごを左門は3回連続で取り落とすのを見て、飛雄馬は次の魔球へのヒントを得ます。

 

そして誰にも言わずに新幹線から失踪。掴んだイメージの消えないうちに特訓に取り掛かりたかったのだろうけど、失踪はもう何回目だよ、いい加減連絡してから行くことを覚えようよ……

 

 

ともあれ、ついに飛雄馬は大リーグボール3号開発に向けて動き始めました。つまりはいよいよ物語も佳境、最終回が近づいてくるのでしょう。楽しみであり淋しくもあり。

 

どこか自分と似ている飛雄馬に苛立っていた私も、しっかりと人生を動かさなくてはと思いました。

 

生きるとは一日ごとに最終回に向かっていくこと!

2017年

9月

29日

今夜も語らずにはいられず

こんばんは、中村です。また巨人の星について語りたくて仕方がないので、ひっそりと深夜の更新を。

 

28日の放映では、伴が飛雄馬のマンションの入口に一晩座り込み、ゴーゴーバーで酒を飲み、チンピラと乱闘して朝帰りした飛雄馬と久しぶりに会います。

 

感激の再会、と思いきや、かつてのようなべたべたとまとわりつく甘やかな関係ではなく、成人男性同士のクールなかかわりに、離れたことで二人ともずいぶん大人になったのだなと感じました

 

伴は一徹の指導でスピードとパワーを増した素振りを飛雄馬に見せて驚かせ、今まで飛雄馬を無償で支え続けた借りを返せ、野球を続けて花形を野球界に引き止めてくれと頼みます。

 

飛雄馬が引退したら花形も野球界への興味を失い、父親の会社を継いで伴の想い人である姉の明子と結婚するだろうから、飛雄馬は復活してそれを阻止してくれと。

 

もちろんその発言の真意は恋愛成就のための利己的なものではなく、飛雄馬に立ち直ってほしい、もう一度マウンドに戻ってきて欲しいとの強い思いがあってのこと。

 

そんなすばらしい友情に恵まれながらも飛雄馬は気付きもせず、試合の合間に冷たいマンションの廊下で夜を明かして待っていた伴をうっとうしく感じ、伴が帰った後もソファーに横たわってぐずぐずとネガティブな文句ばかりをつぶやきます。

 

まったく飛雄馬はなんと情けなくつまらない男でしょうか。一本打たれただけで行く先も告げずに逃げ出すことを繰り返し、毎度振り回される周囲の迷惑を顧みず、尻拭いをしてもらっても本気でありがたがっているそぶりもない。

 

伴や明子はもちろん、敵である花形や左門や一徹もいつも飛雄馬のことを案じているのに、飛雄馬は基本的に自分のことしか考えていない。

 

こんなにも利己的で逃避的な人間になってしまったのは、幼少期から父に虐待され続けたせいかもしれない。高校中退でプロ野球界に入ったのだから、そういえばまだ10代の少年なのだ。幼稚なのも仕方がない。

 

飛雄馬の鬱展開が長引くと週5の再放送でもイライラもやもやすると言うのに、週に一回の放映を楽しみにしていたかつての視聴者はさぞきつかったことと思う。早く立ち直ってさっさと大リーグボール3号を投げて欲しい。

 

しかし、野球センスはあっても人間的魅力はないに等しい飛雄馬が、なぜ伴ほどの快男児にここまで惚れられるのか、キザに見えて一途な努力家の花形や誠実な好人物の左門にも特別視されるのか、不思議でならない。

 

最終回までには私も飛雄馬の魅力をわかりたいものです。

 

2017年

9月

18日

また、楽しからずや

こんにちは、中村です。本日大型台風が北海道に上陸との話だったので、昨夜は洗面器に水をためて寝ましたが、今の札幌は風も雨もなく日が差しています。

 

一時間前ほど、台風は札幌市南西部を北上中とのことでしたが、不思議なほどに無風で雨も弱かったです。本当に今台風は北海道上空にいるのだろうかと、何度もテレビの台風情報を見返しました。

 

しかし広い道内では避難指示をされている地域もあり、まだまだ油断は出来ません。みなさま台風が完全に通過するまで充分にご注意くださいね。

 

 

さて、昨日はお昼にランチパーティーのご予約があり、夜は夜で特別コースのご予約があり、朝から晩まで忙しく働く充実した一日でした。

 

お昼のお客さんは地元の後輩と中学校の先生で、私はせっせと働きながらも会話が聞こえてくるのも楽しく、ミニ同窓会に混ぜてもらえたように心が浮き立ちました。

 

先生には30年ぶりにお目にかかりましたが、変わりなく若々しく、一瞬で中学生の頃の自分に戻った気持ちになりました。

 

また、後輩のうちの二人は同級生の弟さんで、こちらは中学生1年生のまだあどけない少年の姿で記憶が切れているので、背も伸びて立派な大人になって目の前に現れるとなかなかの衝撃でした。30年も過ぎたので大人で当然なのですが。

 

 

私たちの小学校中学校は一クラスしかなく、生徒の入れ替わりは転入と転出くらいで、9年間を密閉状態で過ごしました。

 

おかげで学年が違っても±2学年くらいまでは顔や名前を完全に認識できていましたし、友達の兄弟姉妹となると、どんな部活に入っていてどんな性格でクラスでの立ち位置がどうかまでも大体把握できていました。

 

そんなわけで、友達の弟妹にはただの後輩以上の親しみを感じており、立派に成長し大人になった姿を見るとなんとも嬉しく懐かしい気持ちになりました。

 

 

もしも私がお店をやっていなければ、こうして同級生に弟や中学校の先生に会うこともなかったと思います。大人になると親しい友人ですらお互いの都合を合わせることは難しく、ましてや連絡先も知らない先生や同級生の弟と顔を合わせる可能性など本来なら皆無でしょう。

 

なのに私ときたら、自分の店に居ながら、仕事をしながらにして、懐かしい人や親しい人に会うことが出来るのです。つくづく飲食業とはなんとありがたくすばらしい仕事なのだろうと思った一日でした。

 

お土産に地元の銘菓詰め合わせをもらいました。

我らが街が描かれた懐かしい包装紙……

 

生徒数の減少のためいまや廃校になった私の出身小学校、中学校も描かれています。

 

私は高校卒業後すぐに家を出てしまったけど、今でも地元で働き、根を下ろすようにしっかりと暮らしている人たちを尊敬します。

2017年

9月

11日

深夜の無駄話

今回は店とは関係ない無駄話、再放送中の巨人の星の話です……

 

 

みなさん、先週の巨人の星は急展開でした。

 

大リーグボール2号の秘密が左門と花形に明かされ、ついに伴が中日へ行くことを決意しました! 一時は飛雄馬との友情のために、引退して陰で飛雄馬を支えて続けるとまで言っていたのに!

 

伴を翻意させたのはひそかに恋焦がれていた飛雄馬の姉の明子の厳しい叱咤激励があってのことです。

 

実は伴があれほどまでに飛雄馬に執着し、人生を捧げ尽くしていた理由の一つが、高校生の頃から明子に心底惚れていたことだったのです。

 

花形と明子がともに想い合う関係と知り、男として勝ち目がないと思った伴は潔く身を引く代わりに、その弟であり男惚れの相手でもある飛雄馬を命がけで支え続けようと強く決心していました。

 

飛雄馬への友情と明子への愛を貫くためには、飛雄馬の敵になることもってのほかと思う伴は、中日に行って飛雄馬と敵対するよりも引退することを選ぼうとした。

 

しかし、そんな伴の純情かつ一途な想いを、明子は「居心地の良いぬるま湯から抜け出そうとしない」とあっさりと否定します。

 

さらに明子は長年の恋心を告白しようとした伴を押し留め

 

「その先はおっしゃらないで。おかしいわ、まだ青春の門の前でさまよっている大きな坊やが、そんな告白だけは一人前の大人みたい」

 

なんて生涯のトラウマになりそうなひどいことを言い、伴に背を向けて立ち去り、速やかにタクシーに乗り込みます。

 

「ごめんなさい、伴さん。でもわかって欲しいの。青春って、子供から大人になるってつらいことなのよ。あなたみたいに純粋に生きようとすればするほど」

 

タクシーの中で明子は一人胸の中でつぶやきます。伴の絶大なる友情と愛の歴史を誰よりも知っているのに、一切動じず涙の一粒もこぼさずに。明子のなんたる大人の余裕! 

 

傷心の伴はその足で球団事務所に行き、「俺、中日に行きますわい」と川上監督に伝えます。

 

引越しの日、飛雄馬は伴の宿舎の荷造りを手伝う。一つのはさみを同時に取ろうとして触れ合う二人の手。無言で譲り合い伴が先に使ったはさみを無言で飛雄馬に渡す。

 

荷造りを終え、別れの言葉もなく、伴が無言のまま乗り込んだタクシーは速度を上げ走り去ってゆく。届かないほど遠ざかったタクシー飛雄馬に石を投げ涙を流し、タクシーの中で伴も無言で涙を流す。

 

常に明るく饒舌で感情豊かだった伴が最後は終始無言で…… なんと切ない……

 

伴は大人の階段を上り、一心同体だった二人は敵味方に分かれた。友情が何よりも大切だった少年の日は終わり、二人は大人の男同士として対決することになる。

 

物語もいよいよ佳境に! 今まで以上に目が離せません!

2017年

8月

27日

本日も通常営業! と、ちょっと無駄話

こんにちは、中村です。夏の終わりのプレゼント週間週間継続中です。今日は日曜日、お出かけやお買い物の帰りにでも寄っていきませんか?

 

本日はラタトゥイユを使った軽いおつまみと食後に果物をサービスいたします! 旬の果物は本当においしいですよね。夏はすばらしい季節!

 

昨日発表いたしました9月コースのご予約もお待ちしております。今年9月のひと月限りのメニューですので、この機会をお見逃しなく!

 

 

さて、ここからは店とは関係ないお話を……

 

名作・巨人の星が北海道では平日の夕方に再放送されています。週に5回、録画を帰宅後に見るのが楽しみなのですが、いよいよ伴宙太が中日にトレードされそうになって来ました。

 

伴と言えば、常に飛雄馬に寄り添い、時にやさしく時に厳しく、母のよう恋人のように絶大な愛で飛雄馬を支え包み込み続ける大親友です。

 

豪放磊落な快男児でありながら涙もろい感激屋で、毎回のように涙を流しながら小柄な飛雄馬を抱擁するシーンが見られます。

 

伴の犠牲なくしては大リーグボールの完成はおろか、飛雄馬が野球を続けることも、あるいは生きていることも出来なかったのではと思うほど、伴は飛雄馬に人生を捧げつくしています。

 

飛雄馬が父一徹とオズマのコンビに大リーグボール1号を打たれて極度の鬱状態に陥り、うつろな表情で朝から晩まで一日中鞠つきをしていた時など(後に大リーグボール2号の研究に没頭していたとわかるのですが)、飛雄馬が気がふれてしまったと思い、その姿を盗み見ながら「星よ、お前が精神病院に入るなら俺も一緒に入るぞ」とつぶやいたり。

 

一軍から招集がかかっても飛雄馬と一緒にいるために二軍落ちを選び、飛雄馬を悪く言い野球をやめて会社を継げという父親を投げ飛ばして絶縁し、飛雄馬を奮起させるためクッションを抜いたミットで玉を受けて左手を血まみれにし、大リーグボール2号の特訓のために失明寸前まで目を傷め、テレビ出ている飛雄馬を見て「テレビは便利なもんじゃのう。離れていてもこうして星と会える」と喜ぶ……

 

それほどまでに飛雄馬を深く愛する伴ですが、いずれ中日に移籍して一徹の指導を受けて飛雄馬と対決することは子供の頃の断片的な記憶ながら覚えていました。

 

しかし常々「地獄の底まで星についてゆく」「男心に男が惚れて惚れぬいた、星に尽くし続けるのが俺の青春じゃい!」と言っている伴がどうして飛雄馬と離れることができようか、移籍してライバルになるくらいなら、引退してプライベートで飛雄馬を支え続けることも出来るのに。

 

その疑問が頭を離れなかったのですが、このところ飛雄馬が急に、伴はいつまでも自分を支えるだけの陰の功労者のままでいいのだろうか、伴自身の人生を歩み青春を味わうべきではないかと悩み始めました。

 

策士であり飛雄馬のことを知り尽くした一徹はそこを突くつもりなのでしょうが、どんな経緯をたどって伴は飛雄馬に背を向けて中日に向かうのか、気になって仕方がありません。離れるとしても喧嘩別れではなく、双方同意の上でお互いの人生に最良の選択と思って進んで欲しいものです。

 

 

それにしても同じ作品なのに、30数年前、小中学生の頃とは感想がまったく異なることに自分で驚いています。

 

あの頃は主人公である飛雄馬に感情移入していたので、敵対するライバル達を悪のように思っていましたが、今見るとそれぞれが自らの信念に従い、懸命に生きているだけで、全員が誠実ですばらしい人間に見えます。

 

変な髪形でちゃらいと思っていた花形は誰よりもストイックで命がけで飛雄馬に挑み、勝負への執着から時にひどいことも言うが、心の中ではライバルの飛雄馬を常に気にかけて応援してる。

 

一徹は今なら児童虐待で逮捕されるレベルの暴君ではあるが、誰にも媚びず甘えず生き方にしっかりと筋が通っている。特に中日のコーチになってからの凛々しさたるや。

 

オズマだって親に売られ野球人形として育てられた不幸な生い立ちを克服し、自分の意志で真剣に野球に取り組むようになれた。

 

もっさりした見た目でなんか嫌だわと思っていた左門すらかっこよく見える。幼い弟妹たちの生活を守りながらも常に正々堂々真剣勝負を挑み、落ち着き払った振る舞いは武士のごとし。しかも私服はけっこうおしゃれ。

 

なにより、かつてはただの脇役としか思えなかった伴が、ここまで愛と男気にあふれ、有り余るほどの愛嬌のある魅力的な人間だったとは!

 

むしろ主人公の飛雄馬が一番情けなくみっともないように思えるのはどうしたことか。自分のことばかり考え、精神的に不安定で、つらいことからは逃げ、周囲に迷惑をかけ、寄り添い尽くし続けてくれている伴や姉に感謝する気配すらなかった。

 

しかし、姉が失踪し、大リーグボール2号の完成を経て、最近はようやく周りに気持ちを向けられるようになって来た。もう伴のお守りがなくてもやっていけるくらいまで成長したってことなのでしょう。

 

飛雄馬と言う変わった名前は、人間ドラマを描くからヒューマンから取ったと何かで聞いたことがあります。子供の頃の記憶では巨人の星は荒唐無稽な魔球漫画と思っていたけど、大人になって真剣に見るようになって、確かにこれは人間ドラマだと納得しました。

 

 

伴が飛雄馬と対決する場面や最終回など、重要なシーンほどなんとなく覚えているのですが、過程はほぼ記憶にないので毎日目が離せません。打ち切られなければこの先も物語はまだまだ続くはず。

 

不朽の名作を一気に見返すチャンスです。みなさんも今からでも!

2017年

8月

08日

春道堂のコースは……

春道堂のコースはご予約制のためお手数をおかけいたしますが、お一組お一組のご用途やお集まりの趣旨に寄り添い、心をこめて調理いたします。

 

他にはちょっとないサービスもいろいろとございます

 

①手書きのお品書きをご用意いたします

 

ご宴会を少しでもお楽しみいただけるよう、心をこめてしたためます。

タイトル部分には主賓の方へのメッセージをお入れすることも出来ます。

「お誕生日おめでとう」とか「ご結婚おめでとう」とか「○○さん5年間一緒にがんばってくれてありがとう。東京に行っても私たちのことを忘れないでね」なんて長いのもOKです!

 

 

②苦手な食べ物やアレルギー食材を除いて調理いたします

 

どんなにおいしく調理しても、苦手なものが入っていたらお食事を楽しめませんよね。春道堂ではすべてのお客さまに安心してお食事いただけるよう、ご予約時に好き嫌いやアレルギーを伺い、お料理の内容を考えます。

 

季節のコースなどメニューが固定されているものも、一品だけの変更も可能です。お一人様だけ苦手な食材があるような場合も出来るだけ対応いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

 

③飲み放題と3杯セットと分けて注文することが出来ます

 

「飲み放題の宴会はソフトドリンクの種類が少なくて、同じ金額を払っているのに損をした気持ちになる」と言ったようなお話をお酒が苦手な方から良く聞きます。

 

しかしご安心ください、当店の春道コースシリーズなら、たっぷり飲みたい方は飲み放題メニュー、好きなものを飲みたい方は3杯セットと、各自お好きなお飲み物プランをお選びいただくことが出来ます。お値段は3杯セットのほうがお得です。

 

しかも3杯セットは当店のドリンクメニューすべてからお選びいただけますので、人気のいちごジュースやオレンジャーシリーズも召し上がれます。お酒が苦手な方にもできるだけご宴会を楽しんでいただきたいと思います。

 

 

④デザートの時に温かいお飲み物をお出しします

 

コーヒー、紅茶、ほうじ茶、緑茶からお選びいただけます。お酒の後に甘いものと温かいお飲み物でちょっとした喫茶店気分を味わえます。銘店サンローゼなき後、喫茶店探しも大変ですから、当店一軒で済ませてしまいましょう!

 

 

⑤お祝いケーキの持ち込みOKです

 

コースご予約の場合、あらかじめお知らせいただければ、ケーキをお持込いただけます。もちろんお皿やフォークはお貸しします。その場合コースのデザートをお料理一品に変更できます。

 

ただ、申し訳ありませんが当店の冷蔵庫が狭いため、大きなケーキを厨房内でお預かりすることは難しいです。サプライズ等の演出は難しい場合がございますが、まずはご予約時に相談願います。

 

 

⑥お席のご利用時間を設けておりません

 

後にご予約が入っている場合以外は、ご宴会開始時間に関わらず閉店の23時半までお席をご利用いただけます。二次会に移動する面倒もありませんし、お店を探す手間も省けます。お食事の後もごゆっくりおしゃべりをお楽しみください。

 

……

 

いかがでしょう? 今すぐに春道堂でご宴会を開催したくなりませんか?

 

このほかにもご要望にはできる限りご対応したいと思っております。他所には頼みにくいようなこともお気軽にご相談ください。

 

春道堂は皆さまにとってどこよりもおいしく楽しくあずましく使い勝手の良いお店でありたいと思っております。

2017年

8月

02日

壊れかけのメガネ

こんにちは、中村です。本日8月2日(水)はお休みをいただいております。

 

先日、愛用しているメガネの片方の鼻パッドが金属疲労でもげました。

もげたのは夜に自宅にいた時で、替えの眼鏡はろくなのがないので焦りましたが、鼻パッドが片方だけでもさほど問題なく使えてほっとしました。

 

ですがいつまでも片方だけで使っていては、負担が大きくなってこちらもいつ取れるかわかりません。パッドが両方なくなったらさすがに使えなくなりますし、それが仕事中だったら大変なことになります。

 

ほぼ自分の身体の一部と化しているので、普段はメガネの存在を忘れて生きていますが、こういうことがあるとメガネなしでは生きてゆけないことを再認識します。

 

直るかわからないけど、とりあえず修理に出してみようかと思います。受け付けてもらえたとしても入院になると思うので、新しいメガネを作りに行かなくては。

 

今のメガネは確か5年前くらいに作ったものだったか。この5年間、寝る時と入浴時以外はずっと掛け続けていたので強い愛着があります。

 

この店の物件探しですすきのを歩き回っていた時も、今の店に巡り会い心躍ったときも、疲労困憊ながらも最高に晴れやかな気分の開店の日も、イベントで盛り上がった1周年も、ビルのトラブルで休業中だった2周年も、かにと日本酒でしたたか酔った3周年も、プライベートの様々な出来事も、すべてこの眼鏡越しに見ていました。

 

そう思うと別の眼鏡に替えて使わなくなってしまうのはちょっと哀しいですね。直るといいなぁ。

 

 

遠ざかるあふれた夢

帰れない人波に

ほんとの幸せ教えてよ

壊れかけのメガネ……

2017年

6月

24日

最近の楽しみ

こんにちは、中村です。今日の札幌はなんか不安定な天候で、ちょっと遠くまで歩いて買い物に行こうとしたら雨が降り始めたので自宅待機しています。でもそろそろ行かねば。雷が鳴ったりしないといいのですが……

 

最近の私の一番の楽しみは、巨人の星の録画を見ることです。平日の夕方に毎日再放送されていることを知ったのが最近なのが悔やまれます。できることなら幼少期から見たかった。

 

小学生の頃にも夕方の再放送で見ていたのですが、30年以上も前なのにところどころ鮮明に覚えていて、特に花形が大リーグボール1号を打つシーンは強烈に記憶に残っていました。

 

当時は変な動きだなぁ、としか思っていませんでしたが、今見ると全身の筋肉がずたずたになるのもわかり、恐ろしくて身震いしました。その後意識もうろうとした状態で星と互いを称えあう熱い友情には涙が止まりませんでした。

 

子供の頃と大人になってからとでは物語の感じ方が全然違うものですね。当時はただただ面白かっただけで、巨人の星を見て泣くようなことはなかったのに。

 

 

そして私が一番気になっているのが伴の強すぎる友情ですね。

 

飛雄馬がカージナルス相手にパーフェクトピッチングを続けベンチに戻ってきた時などは涙を流して駆け寄り「星よー! なんちゅうか、わしはお前の晴れ姿にただ惚れ惚れするばかりじゃい!」と強く抱きしめる。

 

カージナルスに勝利し飛雄馬に「伴のおかげです」と言われると、伴は顔を真っ赤にして「星に褒められると胸のあたりがドキドキしてくるわい」と大いに照れる。

 

疲れ果てた飛雄馬が意識を失い倒れると、「星よ、早く元気になってくれ。お前がいなくなったらわしはどうして生きてゆけばいいんじゃ」と涙ながらに呼びかける。

 

伴宙太、なんと豪放磊落かつ友情に篤い良い男なのか! と思いつつ、うがった見方を抑えるのに必死です。

 

しかしもしも伴と言う最高の協力者がいなければ、飛雄馬は絶対に苦難を乗り越え大リーグボールを完成させることなど出来なかったことでしょう。

 

伴と飛雄馬の熱すぎる友情から目が離せない私ですが、たしかこの先二人は敵味方に分かれて対戦することになるはず。地獄の底まで星に着いて行くと言い続けている伴がなぜ? 飛雄馬は伴なしで大丈夫なのか?

 

運の良いことに伴が飛雄馬の元を離れる過程を覚えていないので、ウィキペディアで調べたりせずにこの先の展開をドキドキしながら見守ります。知っている方も教えないでくださいね。

 

巨人の星を見ているとあきらめずに努力をすることの大切さを痛感しますし、私ももっと色々とがんばらなくちゃと思いますね。

 

最近太ってきたのでこまめな運動を心がけているのですが、巨人の星を見ながら腹筋や腕立て伏せをするとはかどります。飛雄馬の苦しさに比べたらあと腹筋をあと一回余分にするくらいはたいしたことじゃありません。

 

運動のお供には自転車競技のアニメ、弱虫ペダルもおすすめです。なんせみんな自転車に乗って走っているので、常に極限まで苦しそうで、それに比べたら腕立てのあと一回くらいは! と思えます。

 

長々とすみません。話す相手もいないのでついここの場を借りて語ってしまいました。

 

 

今日は土曜日、寂しいことに巨人の星の放映はございませんが、春道堂は本日も17時より営業いたします。お仕事の方は土曜出勤の労をねぎらい、お休みの方はお買い物や遊びの帰りにでも一杯やって行きませんか?

 

本日も黒板メニューは夕方に更新いたします。お楽しみに!

2017年

6月

12日

おつまみいろいろ研究中!

こんにちは、中村です。今日はさわやかないいお天気ですね!

 

なのにストリートファイトに巻き込まれる夢を見て寝覚めが良くなかったです。反撃の瞬間に目が覚めたので、手が太極拳のような動きをしていました。

 

 

最近はおつまみ研究のために毎日吉田類さんの酒場放浪記を見ています。酒飲みの気持ちに寄り添う的確なつまみの数々は大変勉強になりますが、真昼間っから冷酒をあおりたくなるのが難点ですね。

 

夜に見るとつられて大変な深酒をしそうなので気をつけて主に昼に見ています。

 

 

おつまみ研究ではネットもあさっているのですが、チーズと一緒に焼く目玉焼きが大変おいしいらしく、気になって昨夜自宅で試作してみました。

チーズがカリカリしてきたらひっくり返して焼き、中は半熟くらいで仕上げます。

 

これで出来上がりです。お皿に移していただきます。

 

私のイメージどおりの半熟具合だけど、見かけはなんかしょぼい。目玉焼きとチーズだけだから当然なのですが。

 

あまり期待せずにまずは何もつけずに口に運んだのですが……

 

これが予想を大幅に上回る衝撃のおいしさ!!! 見た目の10倍はおいしいです! ネット情報恐るべし!

 

自家製のラー油をたっぷりと醤油もちらりと垂らして味を変えて楽しみつつ、何かに取り憑かれたかのように焼酎の炭酸割をがぶ飲みしました。

 

チーズオムレツなどで玉子とチーズが良く合うことは知っていましたが、混ぜないことでそれぞれのおいしさがストレートに伝わります。なによりチーズのカリカリ感がすばらしい! 

 

本日より黒板メニューに加えることと近日中にレギュラーメニューに昇格することも決定です!

 

今後も日々おつまみの拡充に努めます。自宅での試作も楽しいですしね♪

2017年

5月

16日

春道コースミニについて

こんにちは、中村です。本日はとてもお得で魅力的な春道コースミニについて語りますね。

 

春道コースはその名のとおり、春道コースをミニサイズにしたものです。お料理が減り、飲み放題時間が短くなる分、価格もお手ごろになります。

比較してみよう! お料理 飲み放題 お値段 3杯つきなら
春道コース 7品 120分 3980円 3500円
春道コースミニ  6品 90分 3480円 3280円

ちなみに1品減らすお料理はお客さま自身にお選びいただけます!

 

たとえば楽しい春道コースはこんなお料理なのですが

 

写真手前から時計回りに

 

・ケチャップで落書きできるオムライス

・サーモンのカルパッチョ2種のオイルソース

・野菜スティックジェンガ風

・プチシューたこ焼き見立てと温かいお飲み物

・肉みそと塩こうじ豆腐のディップ

・肉料理(この日はハンバーグ照り焼きソース)

・かわいい前菜。

 

この中のどの一品を抜いてもOKなのです!

 

たとえば何度もご来店されてかわいい前菜を食べ慣れている方は前菜をやめてもいいですし、甘いものが要らない方はデザート&お飲み物をやめることも出来ます。

 

もちろんお魚やお肉が苦手な方がカルパッチョや肉料理をなくすこともできます。

 

飲み放題は90分となりますが、当店の飲み放題は終了15分前にオーダーストップなんてケチなことは言いません。90分丸々飲み放題なので充分たっぷり楽しめると思います。

 

なお、春道コースミニもお飲み物プランを分けることが出来ます。お酒好きの方は飲み放題でたっぷりと、お酒の苦手な方は3杯セットでお好きなものをじっくりとお楽しみいただけます。

 

ちなみに3杯セットなら大人気のオレンジャーシリーズやいちごジュースも召し上がれます。春道堂はお酒の苦手な女性にも優しいお店です。

 

お酒が苦手な方は皆さん「他の飲み放題のお店はお料理も少なく飲み物もおいしくなくて楽しめない」とおっしゃいます。飲む人飲まない人、みんなに楽しんでもらえるご宴会のための店選びは、幹事さんも頭を悩ませるところと思います。

 

そんな時こそ春道堂をご利用ください! お飲み物プランを分けられる春道コースなら、大酒飲みさんと下戸さんの両方がお食事とお飲み物をお楽しみいただけます!

 

 

おいしさと楽しさはそのままで、より手軽に気軽にご利用いただける春道コースミニをぜひともよろしく! 

 

もちろん、選べる春道コース季節の春道コースもミニに出来ますよ!

0 コメント

2017年

5月

14日

3周年御礼

※次のお休みは5月16日(火)です。

 

こんにちは、中村です。5月12日の3周年記念イベントにはたくさんのご参加いただき、本当にありがとうございました。

 

当日は開店直後から第一部のお客さんが来てくださり、ずっと賑やかな状態が続いた素敵な夜となりました。

 

ひとつ反省するところがあるとしたら、手のかかるお料理をメニューに入れたため、一通りのお料理を出し終わるまで皆さんと一緒に楽しむ余裕がなかったことです。来年はもっと準備を万全にせねば。

 

日本酒を2本いただいたので、一段落したらみんなで飲もうと思っていたら、まるで日本酒の存在を見透かしたかのようにおいしいかにが届きました! 

 

かにはみなで少しずつ分けて食べ、日本酒はテイストの違うものだったため、ふた味を比べながらどんどん進み二升が一晩にしてほとんど空きました。

 

第一部のお客様が終電時間近くに一斉に帰られ、さっきまでにぎやかだった反動でひどく寂しくなり、二部のバー春道堂のご予約もないし、こんなことならバーをやるなんて言わなければ良かった……

 

と、しょんぼり片付けをしていたら、なんと立て続けに合計3名様が来てくださいました! 一気にテンションが回復!

 

私はすでにかなり酔っている状態でしたが、いただいたかにの甲羅に日本酒を注いでは回し飲み、3時半過ぎまで盛り上がり、最高の一夜となりました。ああ楽しかった! 

 

贈り物もこんなにたくさんいただきました!

かにを食べ始めた頃に新たなお花が届き一層華やかに!

さらに13日にも新たなお花が!

お店を続けられるのは応援してくださる皆さまのおかげ。いつもお世話になっている人たちに感謝を伝えるべきところを、逆に贈り物までしていただけるとはなんともったいなくありがたいことでしょう! 

 

いただいたカードです。

たしかに、開店記念日はお店のお誕生日。お誕生日は無条件でこの世に生まれてきたことを心から祝う日です。

 

私はこの仕事がとても好きですが、それでも店を続ける上で苦しいことや辛いこともあり、自分の力量不足が情けなくなって、いっそ店を畳んで他所で働いた方がいいのではと思うこともあります。

 

しかしこうしてたくさんの方に開店記念日をお祝いしていただけると、店の存在をまるごと肯定してもらえたみたいで大変うれしく、やっぱり私はこの店を開いてよかった、来年もこんな楽しい日を迎えられるよう、もっとがんばろうと強く思いました。

 

おかげさまで春道堂は4年目に突入することが出来ました。老衰で店内で眠るように死んでいるのをお客さんに発見されるまで続けるのが目標ですが、まずは来年の5月12日を無事に迎えられるよう、日々より一層精進いたします。

 

みなさん、いつも本当にありがとうございます。今後とも春道堂をよろしくお願い申し上げます。

0 コメント

2017年

5月

10日

もうすぐ3周年

こんにちは、中村です。5月12日の3周年記念イベント、おかげさまで徐々にご参加の方が増えて来てほっと胸をなでおろしております。大切な金曜日、万障繰り合わせて当店に来ていただけるとはありがたい限りです。少しでもお楽しみいただけるようがんばります!

 

さて、昨日はお休みだったので、街を徘徊しておりました。昔から休みの日に一人で家にいるのが大変苦手で、特に用事がなくても出かけたくなります。

 

札幌駅からすすきのにかけて夕方の街を歩き、どういう飲食店にお客さんが入っているのかを見て回りました。

テレビ塔と白い月のコントラストが美しく思わず写真を取りましたが、あまりよくわかりませんね。肉眼では月はもっと大きく見えたのですが……

 

そう言えば夕方の繁華街の様子を一人でじっくりと見て回るのは久しぶりでした。

 

思い起こせば店の物件探しをしていた頃、毎日のようにこうして一人夕方のすすきのに繰り出してはあてもなく歩きまわり、こんなにおいしそうでお得で立派な店がたくさんあるこの街で、こんな私はどうすればお客さんに来てもらえる店を作れるのだろうと、真剣に必死に考え続けていました。

 

物件の決まる気配もなく、不安で一杯だったあの頃を思い起こすと、理想的な場所に理想的な大きさの店を持ち、周年祝いにお客さんが予約してまで足を運んでくださる今はなんとありがたく幸せなことでしょう! 

 

店を持った直後は、高校生の頃からのあこがれだったすすきのに自分の店がある悦びで、毎日スキップするように第五グリーンビルに通っておりました。今もすすきのを愛する気持ちには変わりがありませんが、最初の頃のような胸を突き破りそうなほどのときめきは薄らいでいるのが正直なところです。

 

しかし、この先何年経っても雑居ビルの5階にまで足を運んでくださるお客様への愛と感謝の気持ちを忘れてはいけないと改めて思いました。それを失うときは店を畳む時と肝に銘じ、日々精進いたします。

 

 

3周年記念イベントはまだまだご予約受付中です。当日は金曜日ですので、すでに予定のある方も多いと思います。二次会三次会の後にバー春道堂だけでも寄って行っていただけたら嬉しいです。

 

0 コメント

2017年

4月

10日

午後の紅茶

こんにちは、中村です。今日もいい天気ですね!

 

先日、ホテルのアフタヌーンティーに行ってきました。

これで2人前です。さらに3杯分くらいはたっぷり入ったポットの紅茶が一人ずつにつきます。優雅な名前に似合わぬ結構なボリュームです。

 

アフタヌーンティーとやらは初めての経験なので、昼ご飯を食べておくか迷いましたが、食べなくて正解でした。

 

空腹で行ったにかかわらず、はちきれそうなくらい満腹になりました。こんな素敵な午後の過ごし方があるってことをもっと早く知っておきたかったです。

 

 

臆病者の私は食に保守的なところがあり、未経験のものに挑戦するよりなじみの店でいつものメニューを食べることの方を好んでいましたが、調理の仕事をしているのだから、視野を広げるためにもっといろんなものを食べるべきなんだと思いました。

 

今年の目標はトリュフを食べてみることです! トリュフをおいしくお手ごろに食べられるお店をご存知の方、ぜひ教えてくださいね。

0 コメント

2017年

4月

03日

好物の話

こんにちは、中村です。今日も良い天気ですね。

 

さて、今日は好きな食べ物の話を。私は人に好きな食べ物について尋ねるのが好きです。もともと飲食が好きで、仕事も食べ物関連ですから、とにかく食べ物の話を聞くのが楽しいのです。

 

いろんな人に聞いた結果、ダントツの一位だった食べ物があります。何かわかりますか? 

 

答えは

 

 

……

 

 

寿司です!

 

 

そりゃそうですよね。日本人ですもんね。と思ったのは私も寿司が一番の好物だからでしょうか。

 

子供の頃、私の家では1月5日の父の誕生日には必ず寿司屋さんに行っていました。スーパーのパック寿司も回転寿司もない時代ですから、寿司は高級で特別な食べ物でした。

 

親族も来て皆で寿司屋に行ったときなど、親たちが座敷で酔っ払っているのをいいことに、小学生の分際でいとこと二人カウンターでお好みで寿司を頼みまくって大変な金額になったこともあります。今になって考えると恐ろしい……

 

寿司を食べに行った日は帰ってからもおいしさの余韻が冷めず、次はいつ食べられるのだろう、大人になったら毎日好きなだけ寿司を食べられるようになりたいものだと夢見たものです

 

私が調理の仕事を目指したきっかけも、自分で寿司を握れるようになったら好きなだけ食べられる、との子供じみた夢が根本にありました。

 

調理学校では寿司の授業が一番好きだったのですが、これがなかなかにむずかしく、家ではおからを握って練習し、人が集まるやたらと寿司を握らせてくれと頼み込み、友人や親族に片っ端から未熟な寿司を食べさせていました。いい迷惑だったことでしょう。

 

寿司屋さんみたいなロスの激しい商売はおっかなくて絶対出来ないので、実際に寿司屋になろうとは思いませんでしたが、今でも贅沢コースを注文された時などは寿司を握ります。本職の寿司屋さんほどうまくはできませんがとても楽しいです。

 

ちなみにこれが私の握った寿司です。

しまった、ボケた写真しかなかった……

 

でもなかなか好評だったんですよ。少しでもおいしくなるように上手に握れるようにと、お客様のお口に入る時間から逆算してご飯を炊き上げ、酢を混ぜ合わせてちょうど良い温度になったところで握ります。

 

寿司の話をしていたら久々に寿司を握りたくなってきました。どなたか贅沢コースを注文なさいませんか? 心をこめて握りますよ!

0 コメント

2017年

4月

01日

店主のまかない

こんにちは、中村です。ついに4月ですね。おだやかな春らしい一日で嬉しいです。

 

本日はエイプリルフール、ってことで気の効いた嘘でも一つと思いましたが、そういうのは得意じゃないし、やりすぎて炎上しかねないのでやめておきましょう。

 

そのかわり、と言っては何ですが、時々お客さまに尋ねられる「普段何食べてるんですか?」に応えたいと思います。

 

最近のまかないをいくつかお見せしますね!

ちょっとボケてますが、ナポリタン風焼きうどんのあぶりチーズトッピングです。店にバーナーがあるからできること。白ワインのソーダ割とあわせて食べるのがお気に入り。

オムライスハンバーグハヤシソース。オムレツの中はご宴会で残ったあさりの洋風炊き込みご飯。

 

自宅での昼食なので自然光が射して写真がきれいですが、パセリやクリームで飾れないので彩りが悪いですね。昼間からビールと共に。

チキンカツとご宴会のあまりの百合根の炊き込みご飯とすり身汁。友達が一緒だったのでまかないにしては張り切りました。焼酎のソーダ割と一緒にさわやかに。

 

写真に残すほど豪華な食事はそう多くありませんが、基本的に毎日がっつり食べています。飲食店主は体力勝負!

0 コメント

2017年

3月

30日

大好評! オレンジャーシリーズ

こんにちは、中村です。外は久々の雨。傘を持たずに外に出て濡れました。春は嬉しいですが雨は苦手です。私の心も雨模様……

 

しかし気を取り直して本日は人気のドリンク・オレンジャーシリーズについてのお話を。

 

オレンジャーはその名のとおり、オレンジジュースとジンジャーエールを合せたものです。そこにお酒を加えてカクテルとします。

 

新しいドリンクを作ろうと友達にも試飲を頼んで店にある飲み物をかたっぱしから混ぜ合わせてみたところ、この組み合わせが抜群においしくて驚きました。

 曇ったようなオレンジ色で少々怪しげ……

 

当店のジンジャーエールは生姜の効いた本格辛口ですので、オレンジの甘さ・酸味と相まってドライ感のあるおいしさとなります。お酒を加えないノンアルコールのオレンジャーもカクテルのような味わい。

 

オレンジャーシリーズはノンアルコール対応も可能なものが5種類

 

・オレンジャーストロベリー…いちごジュース入り

・オレンジャーレモン…レモンジュース入り

・オレンジャーグリーンティー…緑茶パウダー入り

・オレンジャーカカオ…チョコシロップ入り

・オレンジャートマト…トマトジュース入り

 

 

ノンアルコール不可のオレンジャーアダルトも5種類

 

・オレンジャーレッド…赤ワイン入り

・オレンジャーホワイト…白ワイン入り

・オレンジャーカシス…カシスリキュール入り

・オレンジャーピーチ…ピーチリキュール入り

・オレンジャーハニー…ハニーリキュール入り

 

 

一番人気はオレンジャーレッド。赤とオレンジの二層になっていて美しいです。味ももちろんおいしい。

 

オレンジャーシリーズは通常飲み放題ではご注文いただけませんが、3杯つきコースではご注文いただくことが多いです。しかもリピート率も極めて高い! 

 

一度味わったらまた飲みたくなる、当店オリジナルドリンク・オレンジャーシリーズをどうぞよろしくお願いいたします!

0 コメント

2017年

3月

28日

祝・北海道新幹線開業1周年

※3月29日(水)は休業いたします

 

 

こんにちは、中村です。昼は温かいのに夜は冷えますね。深夜に帰宅する私は薄着では出かけられないので、昼間に買出し等で歩き回ると汗だくになります。これも春を実感する嬉しいひとときではあります。

 

北海道新幹線開業1周年を記念したイベントが地下歩行空間で開催され、有名なチョークアーティストの笹森花絵画伯がライブで新幹線の絵を描くと伺っていたので見に行ってきました。

私が行ったのは25日土曜日の午後です。土日の二日間かけて描くとのことなのに、開始間もなくでこの完成度!

作品の前でポーズを取られる笹森画伯。お若いのにすごい実力と実績です。

 

笹森画伯のチョークアート作品はすすきの界隈のお店の看板等でも頻繁に見かけるので、ご存知の方も多いと思います。チョークと言う筆記具の可能性を十全に引き出しています。

 

 

実は私、大の飛行機嫌いなので、札幌まで新幹線がつながることを誰よりも切望しています。

 

最初っから飛行機が嫌いだったわけではありません、大学生の頃は夏休み冬休み春休みと年に3回は新千歳大阪間の往復を飛行機に乗っていましたが、嫌いどころか毎回とても楽しみでした。

 

窓からの景色は飽きることなく、富士山の美しさには何度目でも感動しましたし、鳴門海峡の上空から渦潮が見えた時は本当にラーメンに乗っているなるとみたいだ! と面白く思ったものです。

 

当時は機内で軽食も出ましたし、今よりももっとサービスが重厚でしたし、学生にとっては大変贅沢な気持ちになれるひと時でした。

 

それが一変したのは確か大学三年の夏、実家から大学に戻るために乗った便がものすごく揺れたあの日からです。

 

ごく普通の曇り空の日だったったのですが、上空の気流が悪かったようで水平飛行になってもシートベルト着用サインが消えず、がたがたと揺れてはストンと数メートル落ちることを繰り返し、何度も足が目の高さまで上がりました。

 

ここまで揺れたことはなかったので、これはたぶん墜落する! とパニックになりました。せめて目の前に涼しい表情のスチュワーデスさんでもいれば気持ちも落ち着いたのかもしれませんが、その日はガラガラに空いていて、私だけ一番前の席にぽつんと一人で、スチュワーデスさんも他の乗客も思い切り首を回さないと見えないくらい遠くにしかおらず、その孤独感がさらに不安を掻き立てました。

 

心臓が壊れそうなほど脈は速く、全身に冷や汗がにじみ、「スチュワーデスさん助けてください!」と叫びそうになるのを必死でこらえ、墜落に備え頭を下げて安全姿勢を取り、知っている限りのお経や祈りの言葉をつぶやいて八百万の神に助けを請いました。

 

結局墜落することもなく、飛行機は無事に伊丹空港に到着しましたが、私はもう精も魂も尽き果てて、立ち上がるまでにも相当な時間を要し、しばらくはまっすぐ歩くことさえ出来ませんでした。

 

 

あれ以来重度の飛行機恐怖症となり、どうしても乗らなければならない時は絶対に窓際の席には座らず、水平飛行になるまでは指を組みうつむき震え続け、飲酒して気を紛らわせることでなんとかやり過ごしています。

 

一度酒を買いそびれたときは、飛行中の短時間でストレスから胃腸が出血したらしく、空港についたとたんに下血しました。

 

 

北海道は大好きですが、飛行機に乗らないと本州にいけないことが本当に辛いです。北海道新幹線の一日も早い札幌延伸を心から祈っています。

0 コメント

2017年

3月

23日

しなやかコース大好評!

こんにちは、中村です。あられが時折窓を叩く早春の木曜日、皆様いかがお過ごしですか? 

 

本日は登場後すぐに大人気のしなやかコースについてのお話を。

 

しなやかコースはお客様のご要望に沿った内容でお料理内容もお飲み物プランも決められる、まったく新しいタイプのご宴会コースです。

 

近頃は常連様に「4000円でお料理は適当にお願い」等の通常コース外のご依頼を受けることが多くなっておりました。金額さえ伝えれば後は納得できる宴会コースを組んでもらえるだろうと信頼してくださってのことですので、大変ありがたく嬉しく思います。

 

また、これまではすべてのコースで前菜から始まりデザートで終わるボリュームのあるお料理がついていましたが、考えたら毎回前菜やデザートが食べたいわけじゃない方も、お料理はそんなに多くなくてもいいと思う方もおられたかもしれません。

 

ならばご希望の金額を指定していただいて、飲み物と食べ物はどんな感じが良いかを伺った方が、それぞれのお客様のご要望にぴったりと合うプランをご提示できるのではないかと思ったのが、しなやかコース発案のきっかけです。

 

しなやかコースを発表した直後から、ご予約がしなやかコースに集中してちょっと驚きました。もっと早くご提案すればよかったと後悔しつつも、何度もご利用で信頼していただけるようになった今だからこそ、受け入れていただけたのかもしれないとも思います。

 

ちなみにしなやかコースにしなやかさの一例として……

 

【しなやか40(4000円)の場合】

 

①がっつり食べたい

 

ボリューム満点お料理7品+お飲み物3杯

 

 

②いろいろ食べたい

 

こまごまとしたお料理10品+お飲み物3杯

 

 

③しっかり食べ飲み

 

お料理7品+飲み放題2時間

 

 

④色々飲みたい

 

お料理5品+全種類飲み放題2時間

 

 

⑤だらだら飲みたい

 

お料理4品+軽いおつまみ+飲み放題3時間

 

 

⑥ひたすら飲みたい

 

サラダ+漬物+軽いおつまみいろいろ+飲み放題4時間

 

……

 

という風に、同じ4000円でもお客様のご要望に応じて、まるで別のお店みたいに全く異なったプランに出来るのです! 

 

一人で営む小さい店だからこそより柔軟に、お客さまに寄り添ったご宴会をご提案し続けたいと思っています。

 

春道堂ならではのしなやかコース。この中村、価格以上の満足を人生を賭して約束いたします。貴女の大切なご宴会にぜひご利用いただけたら幸いです。

0 コメント

2017年

3月

15日

中学生と春道堂

こんにちは、中村です。今日もいい天気ですね。最近は昼間に外に出るのが楽しいです。

 

先週、3月11日の貸し切りはなんと中学生の部活の送別会でした。ご出席者さまはかわいらしい中学生のお嬢さんとそのお母さんたちでした。すすきののお店を借り切って部活の送別会なんて素敵ですよね!

 

当日は主賓の方以外は早めに集合して店内を飾り付けをされていました。

 

 

横断幕は私が書きましたが、白と青の花の飾りつけはお客様がされました。写真を撮る前にはずしちゃいましたが横断幕の下には銀色のモールもついていました。やさしさとカリスマ性を併せ持ち、後輩たちに絶対的に慕われる奇跡の美少女・直さんにぴったりのクールな装飾です。

 

ご宴会開始前から大人と子供と分かれておしゃべりがはずみ、お食事が一段楽した頃にはビンゴ大会が開催されたりして、終始和気あいあいと楽しげに時間が過ぎて行きました。

 

最後には卒業して行く唯一の3年生・直さんに後輩のお嬢さんたちからのあいさつがあり、その心のこもった言葉に私まで胸を打たれ、厨房の中で密かにもらい泣きしました。

 

今の中学生の女の子って、なんておしゃれでかわいくてしっかりしているんだろうと感心しました。私が中学生だった頃は身体の大きな子供でしたが、今の中学生はまるで小ぶりな大人ですね。

 

しかも帰り際、かわいいお嬢さんに「こんな風に一品一品出てくる店で全部美味しかったことはないけど、今日は全部おいしかったです」と言っていただけて、おばさんすっかり感激しました。繊細で鋭敏な味覚を持つ若い女の子に味を認めてもらえるなんて、まじめに料理に取り組んでいて本当に良かった! 

 

皆様の人生の節目を大いに祝う場を提供できるなんて、その空気を一緒に味わい感激を分けてもらうことができるなんて、しかもお金までいただけるなんて、飲食業とはなんてすばらしい仕事だろうかと改めて思いました。

 

 

かつて地下鉄南北線の北18条駅近くでカフェのようなごはん屋のような店をやっていた私が、このような宴会に特化した店をしようと思ったのは、かつて学生さんの宴会を頼まれたことがきっかけです。

 

前の店は藤女子大学のすぐ近くにあったので、学生さんのサークルの歓迎会や送別会、学校祭の後の打ち上げ等での貸し切り宴会のご予約を承ることがたびたびありました。

 

普段はハンバーグやハヤシライスやカレーなど、同じものばかりを繰り返し作っていたのですが、ご宴会の時はひと組ひと組のお客さんに合わせて真剣にメニューを考え、時間をかけていつもと違う仕込みができるので、とても楽しかったのです。

 

毎年必ず当店を使ってくれたサークルさんもあり、初々しい新入生だった子がやがて先輩として立派に部を仕切り、最上級生となって後輩達に名残を惜しまれつ卒業して行く、そんな青春の一ページを見守ることも楽しみでした。

 

なので、閉店により毎年ご利用いただていてたお嬢さんたちのご宴会を承れなくなったことは本当に残念で申し訳なく思ったものです。

 

いつもご利用くださっていたお嬢さん方は閉店の際には大勢店に来てくれました。藤女子大学の学生さんも職員さんもOGさんもみな素晴らしい方ばかりで、本当に別れがつらかったです。

 

前の店は刃折れ矢尽きと言った状態で、すっかり疲れ果てて店をたたみましたが、もしも再び店をやるなら、次はごはん屋ではなくお酒を出す店にしようと密かに心に決めていたのは、あのご宴会の楽しさが心に残っていたからです。

 

閉店から3年半後、藤女子大学から離れたすすきのに店を開きましたが、大学の職員さんや立派な大人になった当時の学生さんが来てくれることがあり、私を忘れずに居てくれたことをとてもありがたく思います。あの方たちのおかげで今の春道堂と私があります。

 

 

先週の中学生のお嬢さんたちのご宴会は、私に店としての原点を思い出させてくれました。これからもお客さまのお一人お一人の人生の節目に寄り添い、一緒に祝う店であり続けたいと心から思います。

 

今回来てくれたお嬢さん達がいつか素敵な大人になって、お酒を飲めるようになった時にまた来てもらえるよう、今度こそ末長くお店を続けられるようがんばります!

0 コメント

2017年

3月

07日

貸し切り用・折り詰めコースについて

 

こんにちは、中村です。今回は貸し切り用特別コース・折り詰め料理コースについて語ります!

 

3月は送別会の季節。10名さまからご利用いただける貸し切りプランなら、周囲に気兼ねせず、お仲間だけで盛大に号泣しながら別れを惜しむことが出来ます。

 

しかし皆さまご存じのとおり、春道堂は基本的に私一人で営業しておりますので、10名様以上の大人数のご宴会となると、どうがんばっても調理とお飲物の準備の両立が難しくなります。

 

なので大人数での貸し切りの場合は

 

A:お飲み物持ち込み……お飲物は持ち込みでお料理はコース仕立て

 

B:お料理折り詰め……お料理は折り詰めで飲み物は当店のものを

 

のどちらかを選択していただいております。

 

持ち込みコースについては今までに何度も詳しく語っておりますので、今回Bのお料理折り詰めコースについてご説明いたしますね。

 

こちらはある日の折り詰めお料理コースの内容です。 

開店直前に慌てて撮ったのでボケていて申し訳ありませんが、こんな感じです。

 

お客様がご来店された時にすでにテーブルに折りに入ったお料理が用意されています。 

こちらも盛大にボケているのでわかりにくいと思いますが、先の黒板の上から5品です…… 

 

開店直前の私の大あわてぶりが伝わってくる画像ですね。

 

 

さて、大半の方が折りのお料理を食べ終えたころを見計らって、お皿に盛ったお料理を1品お出しします。お料理の内容はご要望や季節によって異なりますが、この日は黒板に書かれている肉団子と根菜の煮込みでした。

 

それも食べ終わったころに、豆菓子やチョコなどの軽いおつまみをお出しします。

 

さらにお飲物のオーダーストップ後に〆の甘いものと温かいお飲物をご用意します。この日は春らしく桜もち!

ようやく…… まともな画像が……

これに温かいお飲み物もつきます。楽しかったご宴会の終わりにほっと出来ますよ。 

 

 

お料理は以上です。いかがです? けっこう充実の内容でしょう?

 

折り詰めのため、熱々にお出しすることはできませんが、出来るだけおいしい状態で召し上がっていただけるよう、ご来店時間ギリギリに仕上がるように調理と盛り付けをしております。なので、あんなに写真がボケるわけです。

 

折り詰めと言えどもすべて私入魂の手づくり、通常のコースを同じ労力と愛をこめて作っております。法事等で出てくる冷凍食品と加工品ばかりの仕出し料理とは完全に別物ですのでご安心ください。

 

折り詰めだとお腹が空いている時など取り分けの気兼ねなどせずにがっつけるのも魅力ですし、他にお料理一品と軽いおつまみもつくのでボリュームもあり、充分ご満足いただけると思います。

 

しかもお飲み物プランや店内ご利用時間も、通常のコースご利用時に比べてお得になっております。いいこといろいろ。(くわしくはこちらをご覧ください)

 

なお、折り詰め料理コースは、貸し切り以外でも4名様以上からご利用いただけます。貸し切り以外の場合はお席のご利用時間制限もございません。

 

おいしく楽しい春道堂の折り詰め料理コース。貸し切りでも貸し切り未満でもぜひお気軽にご用命ください! 

0 コメント

2017年

3月

06日

春にして想う

こんにちは、中村です。今日は確定申告に行ってきました。今までは友達の税理士さんに甘えて全部やってもらっていたので、実は飲食業10年目にして初めて自力でやる確定申告です。

 

明け方近くまで計算や記入をしていたのに、妙に気持ちが昂ぶってアラームが鳴るよりもずっと早く目覚め、午前中のうちに仕上げをして提出してきました。とりあえず、ほっとしました。

 

外は春を思わせる穏やかな好天で、厚着をして出かけたのにコートの前を開けても暑いくらいでした。かなり雪融けが進んでいますが、日陰などは磨き上げたようにテカテカで大変危険です。夜はまた気温が下がるからまた凍るのだろうなぁ。

 

私は季節は春が一番好きです。店名にも使っているくらいですからね。

 

今から5月くらいの間が北海道が最高に心地よい季節です。ヒートテックを脱ぎ、冬靴を替え、マフラーをはずし、少しずつ身軽になってゆくこの時期は、毎年生きているだけで楽しくてしかたがないのですが、今年はなんか特に楽しいです。

 

テレビで本州の桜や梅を見ることも多くなり、うっとりとした気持ちになります。あの可憐なピンク色はどうしてこんなにも心を浮き立たせるのでしょうね? 

 

 

私は大学時代を京都で過ごしました。学校の近くに桜の名所平野神社と梅の名所北野天満宮があり、毎年春を楽しみにしていました。花のことなど良くわからない無粋な女ですが、桜と梅だけは熱狂的に好きです。

 

特に梅は地元ではあまり見る機会がなかったので珍しく、花がついている時期も長いので頻繁に見に行っていたのですが、一人でうろうろしていると観光客に写真撮影を頼まれてばかりで、それだけが少々面倒でした。当時は携帯もデジカメもなく、渡されるのもフィルムカメラか使い捨てカメラでした。

 

北野天満宮の境内も人ごみも牛の像も梅林も、つい昨日見てきたかのようにありありと思い出せるのに、もう20年以上も前ことなのだと思うとめまいがします。人生は意外とあっという間に終わるものなのかもしれません。

 

平野神社では桜が満開の時期に毎年武道系部合同の花見が開催され、古武道部の私も出席しました。正装での参加が義務付けられていたので、男子は学生服、女子はスーツでした。

 

ビールやチューハイなどは用意されておらず酒は一升瓶の日本酒だけ。それをコップに並々と注いではあおり合う無茶な飲み方で、夜が更けるに連れ一人二人と倒れて行きました。

 

私は入学式の時に着たきりの慣れぬスカートでトイレに向かって全力疾走して転び、とがった小石が無数にひざ刺さり、しかし酔っていたので痛みは感じず、ひざに血まみれにして戻ると先輩が飲みすぎて意識を失っており、生まれて始めて救急車に同乗しました。救急病院ではサービスで私のひざの小石を取り除き消毒してくれました。

 

無謀な飲酒などいまや許されないことで、学生らしい愚かで危険な夜でしたが、そんなことが今となっては夢のように懐かしい。

 

今の仕事をしているとまとまった休みを取ることはなかなか難しいですが、できることなら死ぬ前にもう一度春の京都に行って、満開の桜を見上げてみたいものです。

 

 

おっと、なんでこんなことを書いてしまったんだか…… 近づいて来た春の気配にやられたのかもしれませんね。思い出に浸っている場合ではありません、そろそろ出勤せねば。

 

本日は月曜と言うのにありがたいことに4名様のご予約をいただいております。ご予約のお客様の今夜のご宴会がより思い出深いものになるよう、一生懸命調理いたします!

0 コメント

2017年

2月

28日

貸し切りのすすめ

こんにちは、中村です。いよいよ明日から3月、送別会シーズンが近づいてきました! 送別会のご予約もすでにいただいております。

 

当店をご利用下さる皆様の別れの宴がより思い出深きものになるよう、今年も精一杯がんばります!

 

さて本日は大好評の春道堂の貸切ご宴会について語ります。

 

周囲に気兼ねせずお仲間だけで存分に盛り上がりたいなら、思い通りのご宴会をしたいなら、ぜひとも春道堂の貸し切りプランをご利用ください!

 

 

【当店の貸し切り5大特典】

 

1、お好きなCDをお持ち込みいただけます!

2、お祝いのケーキやワインもお持ち込みいただけます。

(グラスやお皿もお貸しします。盛り付け、取り分けはお客様でお願いいたします。)

3、ギターの弾き語りやコスプレや踊りなど、存分に騒いでくださってかまいません。

4、必要とあらば横断幕を筆書きいたします!(例:『中村さんお疲れ様でした』等)

5、サプライズにも企画段階から全力全開でご協力いたします! その一例 小芝居だって打ちますよ!

 

特典をフルに利用すれば、貴女のアイディア次第でものすごくインパクトのある前代未聞のご宴会を開催できます! もちろん私も協力は惜しみません。

 

 

【貸し切り人数について】

 

なお、貸し切りは基本的に10名さま以上で貸切を承っておりますが

 

・開店時間前の昼宴会

・閉店時間後のミッドナイトパーティー

・ご利用料金合計4万円以上

 

の場合、10名さま未満でも貸切ご利用を承ります。

 

その他にも曜日や時間、コース内容等により、7~9名さまでも貸し切りにしていただける場合がございます。どうぞお気軽にご相談ください。

 

【貸し切りはお子様も大歓迎】

 

貸し切りならば普段はご利用いただけない小さなお子さんも大歓迎です。生後1年未満の赤ちゃんが3人も集まったかわいいご宴会もありました。

 

当店はソファー席がありますのでお子様のお食事も楽ですし、もし寝ちゃっても安心。もちろんお子様のお食事やお飲み物はすべて持ち込みOKです。

 

 

【収容限界について】

 

ゆったりと座れるのは12名様くらいまでですが、椅子だけはたくさんありますので、窮屈でもよろしければもう少しお入りいただけます。今までの最高記録は二次会の19名さまですが、一次会でのご利用でしたら15名様くらいが上限です。

 

基本的に私一人で営業しておりますので、大人数分の調理とお飲み物の用意を両立することは難しく、貸し切りの場合は「お飲み物持ち込み」か「お料理折り詰め」の貸し切り用特別コースのご利用をおすすめしています。くわしくはこちらをご覧ください。

 

…………

 

いかがですか? 皆さんも春道堂を貸し切りにして、この春思い通りのご宴会を実現してください。食べるのは一瞬、思い出は一生です。

 

北海道一の歓楽街・すすきののビルの一室を自宅のように使い、お抱えコック&召し使いつきのパーティーを主催する醍醐味をあなたに!

0 コメント

2017年

2月

20日

春道堂自由自在

【本日2月20日月曜日はお休みをいただいております】

 

こんにちは、中村です。本日お店は休みではありますが、店主は365日店主です。ご予約やお問い合わせなどございましたら、携帯もしくはメールにお気軽にご連絡ください。

 

 

さて、すでに皆さまご存知のように、春道堂はより使い勝手の良い店を目指し、2月からご予約優先休になりました。おかげ様で日曜にご予約をいただくことが多く大変嬉しいのです! 

 

今までいくつの日曜のご宴会をお受けできずに来たのだろうと思うと、どうしてもっと早くこうしなかったのかと己の愚鈍さに腹が立ちます。罰としてさっきに2発ほど自分の腹を殴りました。

 

飲食店は決まった曜日の定休日を設けるものという、世間一般の常識に縛られていました。私の店は世界でここ一軒なのだから、周りに合わせる必要などないというのに!

 

より皆さまに寄り添った店になるべく、固定観念に囚われずこれからも良いと思う方向にどんどん変えてゆきたいと思っています。

 

 

ところで皆さまご存知でしたか? 春道堂をさらに楽しむための裏技が色々とあることを。

 

【春道堂を楽しむ裏技】

 

①営業開始時間前から使えます!

 

ランチパーティーや昼飲みはもちろん、遠方からのご出席者がおられるご宴会場合など、早く解散したい場合は17時前からのご予約も喜んで承ります! 

 

 

②営業終了時間後も使えます!

 

当店の閉店時間は23時半ですが、二次会で23時から貸し切りにしたい等のご要望がございましたら、お気軽にご相談ください! 

 

第5グリーンビルは朝までやっているお店も多く、どんなに騒いでも大丈夫な物件ですので、深夜でも真っ昼間みたいに存分に盛り上がれます!

 

 

③平日・営業時間外は10名さま以下でも貸切OK!

 

お昼や深夜、休前日以外のご利用なら規定よりも少ない人数で貸し切りに出来ます! 春道堂の貸切は特典満載。お仲間だけで思い切り楽しむチャンスです!

 

 

④テイクアウトもおまかせください!

 

まとまった数のお弁当やオードブルの制作、テイクアウトのお料理もご予算に応じて承ります。ただし、ご宴会優先で仕込みをしておりますので、ご予約の多い日はお受けできない場合もございます。なるべくお早めにご相談ください。

 

 

⑤サプライズも全力サポート!

 

主賓に内緒の貸切パーティー等、企画段階から協力いたします。趣味で友人にサプライズを何度も仕掛けた経験豊富な店主になんなりとご相談ください。

 

 

⑥他所には頼みにくいこともまずはご相談ください!

 

皆さまのご宴会をより楽しく充実したものにするため、出来るだけ協力したいと思っております。すべてを承れるとは明言できませんが、まずはなんでも遠慮なくお問い合わせください。

 

 

春道堂は女性のためのご宴会のお店。女性の皆様のご宴会がより楽しく盛り上がるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません!

0 コメント

2017年

1月

25日

ビールの話

こんにちは、中村です。今日は私の大好きなビールの話を。

 

当店のビールは北海道限定・サッポロクラシックです。もちろん、自分の好きな味だから選びました。コクと苦味のバランスがすばらしく、お料理の味を邪魔しません。

 

なお、一杯目のビールには歓迎の意をこめて、赤ワインでスタンプをつけてお出ししています。

かわいいでしょう! これはかなりきれいについてますね。泡の感じも最高です!

 

私が以前に経営していたお店はごはん屋だったので、お酒を頼む方はあまり多くないため、小瓶のビールを置いていました。自分の店に自分の気に入りの銘柄のビアサーバー置くのが夢だったので、今の店で一杯目のビールを注いだ時には喜びに打ち震えたものです。

 

そんな大好きなビールですから、少しでも美味しく飲んでいただけるようにと常に心を砕いております。ビールをおいしく注ぐにはサーバーのこまめな洗浄と適切なガス圧の調整が大切です。もちろんグラスの油汚れをしっかり落とし、冷蔵庫に保管しておくことは基本ですね。

 

自分の店にサーバーを置くようになってからは、お客様にお出しする前や洗浄時にビールの味見をしますので、以前よりも生ビールの味がわかるようになりました。

 

外食すると時々ひどく炭酸が抜けていたり、逆に炭酸がきつすぎたり、グラスがぬるかったり、においがおかしかったり、そんなもったいないビールに当たることがあり、せっかくの楽しい気分も台無しになります。

 

広いお店の場合、厨房で注いでからテーブルに届くまで時間がかかりますし、たくさんの注文に対応しなければならないので、一杯一杯大切に入れる余裕はないでしょうから仕方がないのかもしれませんが、ビールを愛するものとして強い憤りを覚えます。

 

仮にも飲食店でありながら、ビールを美味しく注ぐために最善を尽くさぬなど、ビールと一緒に食べるお料理の両方への冒涜としか思えません。がっかりビールに当たるのがいやで、最近は初めての店では瓶ビールがあれば瓶を頼むことが多くなりました。瓶はいつも期待を裏切りません。

 

 

長くなりましたが私のビール愛、おわかりいただけましたでしょうか? ビール好きの名に恥じぬよう、できるだけ日々気持ちを入れて注いでおります。

 

春道堂のおいしいビールとおいしいお料理で楽しいご宴会を!

0 コメント

2017年

1月

23日

百合と私

こんにちは、中村です。冬晴れのいい天気ですね!

 

本日はPorocoさんに掲載していただき、ついにメジャーデビューを果たした百合コースについて語りたいと思います。

 

母の知り合いの農家さんから分けてもらった良質の百合根をふんだんに使用し、さまざまな調理法と味付けで百合根を楽しんでいただく百合コースは、冬季限定の人気メニューです!

 

百合根はその名のとおり、花の百合の根っこです。栽培には広大な土地が必要な上に、植えつけてから出荷できるようになるまで大変手間のかかる作物です。

 

以下、百合根の箱の同梱されているパンフレットの一部です。

種をまいて数ヵ月で食べられる野菜も多いですが、百合根は3年もの時間をかけて大切に育てられ、たっぷりと栄養を蓄えます。漢方薬にも使われるほどの素晴らしい食材です。

 

 

私の母の実家は米農家でしたが、百合根も栽培しておりました。夏場は電気も水道も電話もない山の奥の小屋に祖父母が住み込んで百合の世話をしていました。青いトタン張りの小屋の入口に「熊出没」と書かれた看板が張られていたことを今でも印象深く覚えています。

 

父母と私もたまに泊まりに行っていたのですが、明りはランプ、水道は湧き水を引いたもの、煮炊きは真夏でも薪ストーブに火をつけて行い、風呂は薪で沸かした屋外の五右衛門風呂、トイレは畑の中にある掘っ立て小屋でトイレットペーパーの代わりに少年マガジンを切ったものが置いてあり…… 

 

と、非常に野趣あふるる環境で、開拓当時の北海道移民そのままみたいな暮らしでした。

 

付近に街灯はなく、見える範囲に民家もなく、車もめったに通らず、日が落ちると小屋の外は漆黒の闇で、空には覆いかぶさってくるみたいに大量に星があり、またたく音まで聞こえそうなくらいでした。今になって思えば、ずいぶんと贅沢な体験をしたものです。

 

 

すでに祖父母も亡く、山奥の小屋もずっと前にないそうですが、あの頃も今も百合根は高級食材です。女性の進学率が高くなかった時代、母は百合根のおかげで高校に行かせてもらえたと言っていました。

 

母が高校に進学できなければ父と知り合うこともなく、私が生まれることもなかったはずです。今は百合コースのおかげでたくさんの方にお店に来ていただけますし、三代に渡り私たち一族の人生を支えてくれている百合根には心から感謝します。

 

 

私は今でこそ百合根を深く愛しておりますが、偏食だった子供のころは百合根が好きではありませんでした。

 

うす甘い繊細な味は子供にはつまらなく、それ以上に百合の花の根っこだと思うと何となく気持ち悪くて、いくら高級食材だと言われてもありがたく感じられず、カレーにまで入っているのをよけて食べていました。

 

一昨年母から「良い百合根を農家さんから分けてもらえるので店で使うなら送るよ」とメールが来た時も、好きじゃないし使い道がないから断ろうと思ったのですが、その時たまたま百合根好きの友人と一緒だったため、百合根を使った百合コースを作ったらおもしろいかもと半分冗談で盛り上がり、ひと箱送ってもらうことにしました。

 

後日、百合根を使っていろいろなお料理を作ってみたところ、これが百合根が苦手だった私もびっくりするくらい、どれも非常においしかったのです!

 

百合根は味に一切のくせがなく、火の通し方によってホクホクにもシャキシャキにも食感が変わります。裏ごしすれば繊細な味わいの百合根まんじゅうにもなります。

 

子供の頃は毛嫌いしていたけど、百合根というものはたいへんに料理のし甲斐がある素晴らしい食材なのだと、この年になって初めて気付きました。そこからはもう、私も百合根のとりこです。

 

百合根が好きな女性の方も予想以上に多く、昨季はひと冬に3回も百合コースを注文してくだった方もおられました。本当にありがたいことです。

 

 

ところで、なぜ百合根コースではなく百合コースなのかと尋ねられることがあります。

 

語感が良いせいもありますが、百合根があまりに身近だった私や母や親族たちは百合根のことを「百合」と呼ぶのが普通でした。母に「百合いる?」と聞かれれば、花ではなく根の方だとわかりますし、今も家で「百合の煮たの食べる?」などと尋ねられます。

 

百合と言う呼び名は、私たち百合農家の子孫にとって慣れ親しんだもので、いわば親愛の証です。今こうしてブログを書いていても何度も「百合」と書いたあとに根を足して「百合根」にしているくらい、百合と呼ぶのは私たちにとっては普通のことなのです。

 

百合根と言うとなんだか他人行儀な感じして落ち着かないので、これからも名称は「百合コース」で行きます! 

 

 

おそらく日本でここだけ、コースの最初っから最後まで百合根をつかった春道堂の百合コース、未体験の皆さまにもぜひ一度お試しいただきたいです。冬だけのおいしさですので、ぜひとも今のうちにご賞味を!

0 コメント

2017年

1月

21日

Porocoさんに百合コースが!

こんにちは、中村です。昨日発売のPorocoさんにしっかり載っていました! 春道堂の入っている第五グリーンビルのある都通特集の一角に加えていただきましたよ!

 

しかも今回紹介していただいたのは冬の一押し、百合コースです。私が深く愛する百合コースがついにメジャーデビュー! なんとありがたいことでしょうか!

 

写真は小さめですが、さすがプロのカメラマンさん、百合コースの美しさ、かわいらしさが完全に表現されていました。もうときめいて仕方がありません! 皆さんもどうか見てやってくださいね。

 

春道堂がPorocoさんに載せていただくのはこれで2回目です。前回は2015年の初夏で、一人でも気軽に立ち寄れるお店として紹介してもらいました。

 

前とは違って今回はコース料理のお店としての掲載。ふと開店からこれまでの道のりを振り返り、ああ、ついに、ここまで来られたか…… と感極まりました。

 

…………

 

開店してからしばらくはスナック風の内装のせいで、スナックと勘違いした年配の男性客にしつこく絡まれることが度々ありました。

 

最初から女性向けのお店として営業していたので、泥酔男性の来店は想定しておらず、うまく対応できずに女性のお客様にも不安と不快を与えてしまいました。(現在はご新規の男性の入店を制限しております)

 

少しでも飲食店らしく見せたくて、カウンター上部に居酒屋みたいにメニュー札をぶら下げていたりもしましたが、それでもスナック扱いされることが多く、ネット等でも2次会に最適と紹介されたりしました。

 

私は人生をかけて真剣に調理に取り組んでいるのに、まっとうなお料理とおいしいお酒を女性だけでも安心して楽しめる飲食店をやりたいのに、場所がすすきのでこの内装である限り、どんながんばってもスナック扱い、2次会用の店扱いをされ続けてしまうのかと悔しく思いました。

 

それでもくじけずにホームページやブログでコース料理をアピールし続けました。

 

かつてはボリュームとお得感ばかりを売りにしていましたが、より幅広い利用動機に添えるようコースの種類を増やし、お料理もよりおいしく、より魅力的なものをご提供できるよう、日々試作と勉強を続けました。

 

やがてじわじわとコースの予約をして下さるお客様が増え、酔って絡む人やスナック扱いする人も次第にいなくなり、満を持してメニュー札も外しました。

 

久しぶりにコースを利用してくれたお客様から「料理の感じが前と全然違う」とのお声をいたくことがあり、感激すると同時に自信が増しました。

 

 

スナック風の内装は開店直後も今も全く同じで、視覚的に変わったのは私がコックコートを着るようになったことくらいなのに、メニュー札をカウンターにぶら下げていたころよりもずっと、今の春道堂は料理屋らしくなったと思います。

 

あれだけスナックスナック言われ続けた内装を、今のお客さんは「家みたいに落ち着く」「時間を忘れてくつろげる」と評価してくださいます。

 

当店がスナック扱いを脱却し料理屋らしくなれたのは、ひとえに繰り返しご来店下さり、お友達やお仲間に当店をご紹介くださり、応援してくれる皆さまのおかげです。本当にいつもありがとうございます。

 

一見スナックの店内でおいしいコース料理を楽しめる隠れ家的なお店として、もちろん女性にとってどこよりも居心地がよいお店として、ますます精進いたします。今後とも春道堂をよろしくお願い申し上げます!

0 コメント

2016年

12月

14日

睡眠健康法

こんにちは、中村です。昨日の昼は暖かかったですね。しかし夜は冷え込み、予想していた通り道路がつるつるに…… 

 

しかもスケートリンクみたいな平たいタイプではなく、積もった雪が踏まれてでこぼこの状態で凍っていたため、極めて慎重に歩いていてすら帰宅時に何度も転びそうになりました。

 

凍った路面で転ぶと痛くて恥ずかしいだけではなく、大怪我にもつながる可能性もありますので、皆さんもご注意くださいね。

 

 

最近は寒いせいか酒を飲むせいか身体を動かすことが多いからか、夜眠くて仕方がありません。職業柄遅くに帰宅するので部屋がすっかり冷え切っており、しばらくはストーブの前から離れられず、猫が香箱を組むような格好で背中を温めているとそのまま眠ってしまい、鼻からよだれが流出して痛みで飛び起きることが良くあります。

 

2~3時間ほど居眠りをした後に布団でさらに6時間ほど寝てしまうことが多く、最近は睡眠過多なのですが、たくさん寝るとなんか体調が良いことに気付きました。たまに起こっていた謎の腹痛も収まり、お肌の調子もいいみたい。

 

私は中学生の時に90分サイクルで目覚めると良いと言う話を聞いて以降、日々6時間睡眠をモットーととし、休みの日でも余分に寝すぎると「ああ! 有限な人生の時間を無駄にしてしまった!」と自分に憤っていたのですが、最近はなかなか起きれなくて6時間以上寝てしまう日も多いです。

 

もしかしたら若い頃と違って、もう6時間睡眠では回復しなくなっているのではないかと。だからたくさん寝ただけで、体調が良くなったのではないかと。

 

このことに気付いてから、長く寝ることに罪悪感を感じなくなり、用事のないときは無駄に夜更かしせずに早く布団に入るようにしました。6時間以上寝た自分を責めるよりも、しっかりと休息を取ったことを称えるべきなのではないかと。

 

一人店主は健康がすべてです。万が一ご予約をいただいている日に体調を崩したりすると、お客さまに多大なる迷惑をかけてしまいます。万全の体勢で日々の営業に取り組めるよう、体調を整えることも仕事のうち、今日もよく寝てよく食べよく飲んで、明日からの忘年会クライマックスシリーズセカンドシーズンに備えます!

0 コメント

2016年

11月

08日

ご宴会料理について

こんにちは、中村です。今日はご宴会料理の盛り付けについて語りたいと思います。

 

当店ではご宴会のときの料理はなるべく1人前ずつ盛り付けてお出ししておりました。これはテーブルが狭くて、大皿と取り皿の両方を置くと隙間が少なくなってしまうためと、一人分ずつ盛られている方が食べやすいと思ってのことです。

 

しかし最近思ったのですが、個別盛りにこだわらず、大皿も使って盛り付けるのも悪くないのではないかと。

 

春道堂は私一人でやっていますので、お1人分ずつ盛り付けては運んでと行ったり来たりしていると、全員分のお料理を出し終わるのにけっこうな時間がかかってしまいます。

 

最初に目の前にお料理が届いても全員分が出そろうまで召し上がらずに待っておられる方も多く、召し上がるころには冷めてしまって申し訳なく思っていました。

 

私自身が気が小さいもので、大皿盛りだと遠慮して料理を食べられない方もおられるのではと個別盛りにこだわっていましたが、考えたらご宴会にはお仲間同士が親睦を深めるのも目的のひとつですから、大皿からわいわいと取り分けるのも楽しいコミュニケーションですよね。

 

それに大皿に全員分を盛り付けて良いのなら、これまでは盛り付けの手間がかかるため大人数のご宴会では断念せざるを得なかったお料理もお出しできるようになります。そう考えるとお料理の幅を広げられそうでわくわくしますね!

 

今後は個別盛りにこだわらず、より自由にダイナミックに色々なお料理に挑戦して行きたいと思います! 

 

もちろん、これまで通りの個別盛りも可能ですので、ご希望の方はご予約時にお気軽にお申し付けくださいね。

0 コメント

2016年

11月

05日

鍋の話

こんにちは、中村です。今日は雪ですね。今年は秋をすっ飛ばして冬になってしまったような気がします。

 

毎日寒いので今日は暖かい鍋の話でも……

 

 

お客さんに家で何を食べているのですかと聞かれることがよくあるのですが、この季節なら主に鍋料理です。昨日は鍋でしたし今日も鍋の予定です。鍋料理と言っても大層なものではなく、野菜や肉や魚や豆腐を煮てぽん酢をつけて食べるだけです。

 

昆布やかつおでだしをとったりもせず、ただの水で具材を煮るだけ。次から次へと野菜や肉を投入する鍋料理はうまみがどんどん凝縮されてゆきますので、だしなど入れなくても十分においしいのです。

 

市販の鍋の素など使ってみたこともありますが、一口目は美味しく感じられても、食べ進めるとくどくなってきてどうもいけません。濃厚な味を楽しみたい時は煮汁に豆乳とみそを入れれば充分、コクが出て大変美味しいです。

 

鍋のあとの〆のうどんや雑炊がまたおいしいのですが、私は一日目の鍋ではしません。鍋が終わった後、煮汁が冷めたら鍋ごと冷蔵庫に保管し、翌日にまた水や具材を足して鍋を楽しみます。煮汁のうまみが濃縮されていますますおいしくなりますし、洗い物も少なくて楽です。

 

それを繰り返して鍋に飽きたころにようやく雑炊にします。数日かけて育てた煮汁ですから、当然ものすごくおいしいです。このために鍋の日々があったのだと言っても過言じゃないくらいです。

 

 

私は大学時代は京都で暮らしていたのですが、家の断熱が甘く、備え付けの暖房器具がない京都の冬はある意味北海道より寒く、暖をとる目的も兼ねて冬場には自炊の友達と集まってよく鍋をしました。

 

まずは肉や野菜を水で煮たのをぽん酢で食べ、次にみそを入れてみそ鍋にし、最後はキムチを入れてキムチ鍋にするのです。これを三段階鍋と呼んでいました。

 

普段はろくなものを食べていない学生ですから、ここぞとばかり大量に切った野菜と肉を最後まで飽きずに食べる知恵ですね。

 

鍋にうどんを入れ、ごはんを何杯もおかわりしているのに、最後のキムチ雑炊もごはんの一粒も残さず平らげていました。若かった……

 

そう言えば当時はさほど酒が好きではなかったので、冷たいお茶を飲みながら鍋を食べていましたね。鍋なのにビールがないなんて殺人的な苦痛で、今となっては信じられません。

 

どんなに食べても胃もたれ一つしなかった若いころもなつかしいですが、ほろ苦いビールのおいしさがわかる大人ゆえの楽しさもあります。

 

人生の段階で行けば今のは私は二段階目くらいでしょうか? 良い三段階目を迎えて雑炊までおいしく食べられるように精進せねば。 

0 コメント

2016年

11月

04日

コースの選び方

こんにちは、中村です。11月1日よりコースメニューが整理整頓されましたが見ていただけましたでしょうか?

 

当店のコースはお客様のご要望にお応えしているうちにどんどん増えてしまったのですが、種類が多すぎて選べないとのお声もいただいておりました。かなり整理がついたと思いますが、本日はコースの選び方についてお話ししようと思います。

 

 

 

**************

 

1、迷ったら春道コース

 

店名を冠した春道コースは当店一番人気、通常の春道コースは季節感や食材の旬を考慮してお料理を決めるおまかせコースです。しっかり手間をかけたお料理を少しずつ色々味わえると舌の肥えた大人のお客様にも大好評です。

 

ご予約時にお客様の苦手な食材や会の名前や年齢層等を伺い、食材や風味のバランスを考慮して、毎回真剣にお料理の組み立てを考えております。

 

一つのコースで肉料理と魚料理の両方が食べられますし、前回とは違ったお料理をお出しできるようにと考えておりますので、何度ご利用いただいても飽きが来ません。

 

おまかせ以外の春道コースには旬を強く意識した「季節の春道コース」と、盛り上がりたいご宴会に最適の「楽しい春道コース」があります。

 

春道コースシリーズはどれもお祝いごとにも定例会にもしっくりと来るバランスの良いコースでです。ぜひとも一度お試しください。

 

 

2、特別な日の贅沢コース

 

贅沢コースは春道コースのグレードアップバージョンです。お客様のご要望を伺い、より良い食材を使い、より手間ひまをかけたお料理をご提供いたします。春道コースと同じ品数でお値段は1000円UPとなりますが、一度でもお召し上がりいただけたらその違いをはっきりお分かりいただけると思います。

 

なお、贅沢コースの飲み放題は全ドリンクメニューからお選びいただけます。飲み放題時間も長めですので、一品一品のお料理に合わせていろいろなお飲物をゆったりと楽しめます。お祝いの宴や頑張った日のお疲れ様会にも最適です。

 

 

3、とにかくお得なサービスコース

 

学生さんや若い方にもお気軽にご利用いただけるよう、手ごろな食材を活用したお料理で極限まで値段を抑えたサービス価格のコースです。たっぷり出てくるサラダが好評で、初めてご来店の方は大概「これで一人前!」と驚かれます。

 

お得ですがお料理はボリューム満点! たくさん食べるのが好きな方やお酒が苦手な方の多いお集まりにも最適です。

 

 

4、期間限定! 根室のかにコース

 

おいしい根室産花咲がにのむき身をたっぷり使った豪華なコースです。お祝いや忘年会にもぴったり。

 

かにコースシリーズにはかに使用料100g増しのかにコースS(スーパー)とかに以外のお料理も取り混ぜてお得な半分かにコースもあります!

 

なおかにコースは今期分のかにむき身のストックがなくなり次第終了とさせていただきます。年内いっぱいは確実にご用意できますが、年明け以降は終了となっている可能性があります。

 

再開は来年7月以降を予定しております。かにコースを食べたい方はぜひ年内にご予約を!

 

 

**************

 

 

今の当店のコースは大きく分けてこの4つですが、もちろんお客様のご要望やご予算に応じてオリジナルコースもご用意できます。

 

「おばあちゃんのお祝いなのでやわらかいものでコースを組んでほしい」

「会社の忘年会経費が5000円なのでぴったりの金額にしてほしい」

「デザートとお茶はいらないのでお料理に変えてほしい」

「コース内容はそのままで飲み放題時間を延長したい」

「貸し切りじゃないけど完全持ち込みで宴会したい」

「クリスマス用のパーティーメニューをお願い」

「かにと百合根の両方をコースで食べたい」

…………

 

などなど、お気軽にご相談ください。私の力の及ぶ限り、ご要望に応じたいと思っております。

 

ご予約お問い合わせは24時間態勢で承っております。お気軽にどうぞ!

 

0 コメント

2016年

9月

30日

レギュラーメニュー紹介シリーズ 三種の海苔チーズピザ

こんにちは、中村です。そう言えば最近はコースの話に夢中で、レギュラーメニューについてあまり語っていませんでしたね。久しぶりにレギュラーメニューのご紹介をしたいと思います。今日は三種の海苔チーズピザについて。

 

三種の海苔チーズピザはその名のとおり、のり佃煮、板のり、青のりの三種類が一枚のピザに使われた人気メニューです。

 

海苔のピザなんてあんまり聞かないけど大丈夫? 美味しいの? とあやしまれる方もおられると思いますが、これが食べてびっくり! 海苔の香りとチーズが大変良く合うのです。

 

さらに半熟玉子をトッピングするとまろやかかつ濃厚な味わいになります! 玉子が苦手な方以外には玉子トッピングを絶対にお勧めいたします。

くずした黄身に当店特製のラー油をたっぷりかけると、ほどよい辛みと独特の風味が加わって、ぐっと味が引き締まりさらにおいしくなります!

ほら、おいしそうでしょう!

 

皮は薄くてサクサクですので軽みがあり、おなかにたまり過ぎずおつまみに最適です。ぜひ当店のおいしいサッポロクラシック生ビールのお共にしてあげてください!

 

三種の海苔チーズピザはレギュラーメニューですが、もちろんコースメニューの一品に取り入れることもできます。ご予約時にお申し付けください。

0 コメント

フェイスブックはこのブログの転送ですが、そちらもよろしくお願いいたします。