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室蘭へ

今日は久しぶりに会社員時代に6年近くの月日を過ごした室蘭に日帰りで遊びに行ってきました。かつての会社の同僚と会うためです。

 

前に行ったのは春道堂を開店する直前だったので、ちょうど4年ほど前です。ずいぶん遠いところみたいに思っていたけど、行ってみると高速バスで札幌から2時間足らずで、小説を読んだり居眠りをしたりしているうちにあっという間に着きました。

 

調理学校に行くために会社を辞めて室蘭を離れたのは15年前、29歳の時でした。大学卒業後に最初に働いた職場なので、一番印象が強く、今でも度々働いていた当時の夢を見ます。

 

見る夢は大体ミスをして焦っているものです。スーパーの本部でチラシやPOPの仕事をしていたので、明日特売なのにチラシの校正をしていないとか、POPを作るのを忘れていたとか。

 

目が覚めたら「ああ、もう違うんだ。もうチラシもPOPも作らなくていいんだ」と心底ほっとします。当時のプレッシャーは相当大きかったんだと痛感します。

 

当時は辛いことも苦しいことも山ほどあったはずなのに、かつては血を吐きそうなほど嫌だったことすら、今となっては笑える話の種、愉快な思い出でしかありません。

 

命を削るようなサービス残業をして必死に支え続けた会社は大手に吸収合併されて店名も変わり、敬愛していた社長も今は亡く、諸行無常を感じます。

 

しかしあの頃の日々があって今の私なのだから、無駄なものなど何ひとつなかったと思います。

 

 

室蘭の町並は中小都市のご多分に漏れず少々廃れていましたが、かつてはなかった素敵なお店もできていました。

 

札幌の皆さんもおなじみ、おいしい珈琲を飲ませてくれる宮越屋珈琲さんが海を望む高台にありました。店内はガラス張りで、ぐるりと大パノラマで海を見渡せます。

 

帰り際、デッキに出てみるとこの景色でした。

17時近くに撮影したものです。大変感じの良い店員さんに「もう帰るんですか? これからもっときれいになりますよ」と言われました。 夕日が沈む頃には超絶的に美しいのでしょうね。

 

 

ちなみに私たちの席があったのはデッキの逆側で、小さな漁船がたくさん見える漁港でしたが、遠くに白鳥大橋と工場群も見えました。

ガラス越しの撮影なのでわかりにくいですが、夜に来たら工場夜景で相当きれいであることが想像できました。

 

帰宅後に調べると『宮越屋珈琲MUTEKIROU』という店名のようです。皆さんも室蘭に行くことがあればぜひ寄っていただきたい。景色が良いことはもちろん、珈琲もケーキも大変おいしかったですよ。

 

 

帰り際、バスの時刻まで余裕があったので、スーパーに寄りました。さっきまで生きていたみたいに新鮮な魚が何かの間違いみたいな激安で衝撃を受けました。買って帰りたかったけど、バス内に生臭いにおいを撒き散らすと申し訳ないので断念。

 

すばらしい景色に安くておいしい魚に朗らかでやさしい街の人たち。そして近くにはいつも海が……

 

住んでいる時はわからなかったけど、20代の6年を過ごした室蘭はこんなにも良いところだったんだ!

 

  

しかし、15年前に会社を辞めて以来会うのは二回目だと言うのに、当時の同僚達とは昨日まで一緒に働いていたかのように会話が弾みます。

 

たびたび職を変えるのはほめられたことではないのかもしれないけれど、そのたびに新たな友達が出来て、人生の財産が増えるのはうれしいこと。

 

新たな就職先でも生涯の友に出会えると信じて、がんばって職探しせねば!

 

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