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あれから一年

こんばんは、中村です。今日は1月31日、思い起こせば一年前の今日が春道堂営業の最終日でした。

 

あれからもう一年もたったのだと思うとなんとも感慨深い。あっという間のような気もしますし、永遠と思えるほど長く感じた時期もありました。

 

昨年の一月の後半はもう最後だから1名様でも多くお迎えしたいと極限までご予約を受け付け、昼も夜も貸切満席という日もありました。

 

しかし店主も従業員も私一人だけですので、寝ているとき以外はずっと働いているような日々が続き、一月の後半には限界に近いほど疲労困憊し、いつ倒れてもおかしくないとの危機感を覚えつつ働いていました。

 

なので、お客さまにご迷惑をおかけすることなくすべてのご予約をまっとうできた最終日は、寂しいと言うよりもほっとした気持ちが大きかったのが正直なところです。

 

色々と落ち着いた今になって閉店前後のブログを読み返すと、なんとも切ない気持ちになります。

 

実は閉店日前後一週間は毎日店に泊り込んでいたんですよね。閉店前は仕込みのため、閉店後は片付けのため、目が覚めたらすぐに作業をして昼間に一度家に帰って入浴と着替えをして店に戻る日々でした。

 

丸々一週間、昼も夜もなくたっぷりと過ごしたおかげで、離れがたかったあの店とすっきりとお別れすることができました。

 

 

今はしがないサラリーマンのこの私が、子供の頃からの憧れの街だったすすきので三年以上も店主として過ごしていただなんて、すすきのの一等地の一室をまるで自宅のように使っていただなんて、奇跡のような夢のような出来事だったと今でも思います。

 

これから毎年、1月31日を迎えるたびに、茶色くて狭いあの店がぎゅうぎゅう詰めの超満員になった最終日のことを、少しの切なさと共になつかしく思い出すことでしょう。

 

大勢のお客さまやお友達に全力で応援していただいたにもかかわらず、私の力不足で志半ばで閉店することになってしまいましたが、それでも本当に春道堂を開いてよかったです。

 

閉店して一年以上が経過し、めったに更新をすることもないのに、まだこちらを見てくださっている方がおられることもありがたく思います。

 

長い人生のほんのひと時かもしれませんが、あの店で一緒に過ごすことができた皆様の今後の日々に幸多かれとお祈り申し上げます。

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