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ありがとう巨人の星

こんばんは、中村です。巨人の星の最終回、本日ようやく見終わりました。

 

最終回の放映は10月31日だったのですが、見たら私の巨人の星が終わってしまう寂しさともったいなさから、今日までひと月も引っ張ってしまいました。

 

 

飛雄馬は最後の打者の伴を打ちとって完全試合を達成するものの、無理を重ねてきた左手を負傷しマウンドで倒れ、父である中日の星コーチに背負われてグラウンドを後にします。

 

子供の頃に見たきりでもこのラストはだいたい覚えていましたが、数ヵ月真剣に見続けた末なので感慨もひとしおでした。

 

しかし完全試合達成と同時に興奮した観客がグラウンドになだれ込んで来たのはなかなかの衝撃でした。当時はファンがグラウンドに入るのは度々あったんですよね。今ならば絶対にありえないことですが。

 

しかもライバルの花形と左門に姉の明子までがグラウンドに侵入していました。明子はスカートでフェンスを飛び降りたのだろうか……

 

 

実は巨人の星の夢中になっていたこの夏は、閉店について悩んでいた時期でした。

 

すでに攻略されている大リーグボール1号2号を投げ続け、打たれれば落ち込み逃げ出す飛雄馬に、店への執着を断ち切れず閉店を決断できない自分を重ねていました。

 

 

父の一徹が中日のコーチに就任し、姉の明子が失踪し、陰に日向に常に飛雄馬を支えていた伴までが敵となり、守ってくれていた人たちが一人減るごとに、飛雄馬は強くなってゆきました。

 

虐待レベルの厳しさで一徹に野球を叩き込まれた飛雄馬は、長い間自分の意志で野球に取り組んでいなかったのかもしれません。だから打たれれば逃げるしすぐにあきらめて球界を去ろうとする。

 

しかし一人になって、真剣に野球に向き合ううちに、かつてのような甘さや情けなさも消え、顔つきや言動も変わり、求道者のような雰囲気をまとい始めました。

 

一徹が無理やり伴を飛雄馬から引き剥がした時は、なんてひどいことをするんだと思ったけど、いつもそばにいて甘えさせてくれる人がいる限り、飛雄馬はここまで成長できなかったことでしょう。

 

 

巨人の星は人間ドラマだから、飛雄馬という名はヒューマンから来ていると何かで聞いたのですが、まさにそのとおりと思いました。

 

一徹に背負われた飛雄馬が花形、左門、伴に拍手で送られ、姉の明子が見守る中グラウンドを去ってゆく時、本当にすばらしい人間ドラマに立ち会うことができたと私も拍手を送りたくなりました。

 

最後は「飛雄馬よ、栄光の星を掴んだたった今、この瞬間からお前自身の新しい人生が始まったのだ。(中略)しかしこれから先も己自身の道を立派に歩いてゆくじゃろう。新たな人生の星を目指して」と一徹のモノローグが入り、飛雄馬が夕日に向かって歩く背中に「完」の文字がかぶさり物語は終わります。

 

 

私もこの店ですごせるのはあと二ヵ月、今は日々の営業に全力で取り組むことに精一杯で、そのあとのことなど考えられませんが、閉店した直後から新たな人生が始まります。

 

私もがんばらねば。新たな人生の星を目指して。

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