2016年のベースボール

こんにちは、中村です。いよいよプロ野球も開幕し、選抜高校野球も佳境に突入し、野球好きにはたまらない季節となりましたね。

 

私は父の影響で子供の頃から野球が好きで、早朝から父のノックを受け、放課後は男子と一緒になって、いつも野球をしていました。と言っても、3対3とかでやる遊びみたいなものでしたが。

 

女子野球部などないので4年生になってソフトボール部に入り、ユニフォームを着て初めてちゃんとした試合が出来た時はそれだけでものすごく興奮したものです。と言っても、小さな町の学校の部活ですので、試合など年に2回ほどしかありませんでしたが、楽しみで前日はなかなか寝つけないほどでした。

 

中学、高校と女子野球はもちろんソフトボール部はなく、中学ではバレー部、高校では柔道部に入りました。それでも野球への思いは捨てがたく、目的もなく時々夜に素振りをしていました。中学生にまでなると友達と野球をして遊ぶようなこともなくなり、楽しみと言えば球技大会のソフトボールだけでした。

 

大学にはソフトボール部があったけど経験者ばかりだったので怖気づいて入れず、柔道の経験を行かせると古武道部に入りました。社会人になると仕事が忙しく、店を始めたら始めたで忙しい上に怪我が怖くてそれどころではなく、私はこの先一生、野球をすることなく人生を終えるのだろうなと思っていました。

 

でもせめて、キャッチボールだけでも出来たらと思い、18で家を出てから4度引越してもずっと、グローブを二個とボールを持ち歩いていました。しかし街中ではボールを使える場所もなく、高校三年の球技大会からもう25年もキャッチボールすらすることはありませんでした。

 

それが昨日、友達の友達がソフトボールをしている人とわかり、お願いして25年ぶりのキャッチボールが実現したのです! 

 

午後、ずっと出番がなかったグローブを二つ持ってうきうきと待ち合わせ場所の中島公園に向かいました。入り口付近は人が多かったので危険と思い、奥のグラウンドまで進むと、すでに小学生が3人、ピッチャーとキャッチャーとバッターで野球をしていました。

 

その横で25年ぶりにグラブをはめ、ボールを投げられ、受けられたときの感動。皆さんにわかってもらえるでしょうか? 本当に好きで好きで仕方がないのにずっと出来なかったことが、今確かに出来ているのですから!

 

受け方や投げ方をちゃんと体が覚えていることに驚くと同時に、体が思い通りに動かないことにも驚きました。ボールの行くほうに気持ちが行っても体が思うようについて行っていないのです。そりゃあそうですよね。私の野球の記憶は高校3年で止まっているけど、身体は42歳になっているのですから。

 

その後、キャッチボール仲間が小学生に「一塁と三塁守っていい?」と話しかけてくれました。私は小心者なので、不審者として通報されたらどうしようと離れたところでびくびくしていましたが、小学生達は「やった! これで野球が出来る!」と喜んで受け入れてくれ、私も嬉々としてベース代わりに謎の蛍光色の物体が置かれた三塁につきました。

 

三塁を守り、キャッチャーをやり、一塁を守り、バッターボックスに入り、30分にも満たない時間でしたが、あまりにも楽しく、途中何度も、これは夢なんじゃないかと思いました。この25年間、野球をする夢を何度見たことか…… せめてキャッチボールでもと思っていたのが、野球をすると言う夢までも叶ったのですから。

 

礼儀正しい小学生達に礼を言い別れを告げてグランドを去る頃にはすでに全身が痛くなっていましたが、本当に楽しく充実した気持ちでした。全身の筋肉痛は今日もさらに強く、寄る年波と運動不足を痛感しましたが、野球をしているあの間だけは、小学生と同じ気持ちで楽しむことが出来ました。

 

 

おかげさまで私は今、非常に良い人生を送っていますが、ひとつ悔いがあるとすれば、大学生の時、こんなに好きなものから逃げて、自分が得意なことを選んでしまったことです。レギュラーになれなくても、チームで一番下手でも、4年間思い切り取り組めばよかったのに。その不完全燃焼感が、私をここまで野球に執着させていたのかもしれませんね。

 

しかし、その悔いがあるからこそ、たとえ不安定でも、リスクが大きくても、本当に好きなことを仕事にする生き方を選べたようにも思うのです。

 

 

昨日は自分が本当に野球が好きなのだと実感しました。グラブをはめてグラウンドに立っているだけで心が沸き立ちました。こんな楽しいことを25年に一回しかせずに終わるのはもったいない!

 

指一本怪我しただけでお客さまにご迷惑をかけてしまう仕事ですので本格的にするのは無理だけれど、遊びのソフトボールや野球で人数が足りない時は声をかけてください。都合が合えば札幌市内どこでも駆けつけます! 下手だけどね。

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