猛省の日曜

こんにちは、中村です。

 

開店から二週間が過ぎ、狭い厨房での作業にも少しずつ慣れ、ようやく色々と落ち着いてきました。

 

昨日はお客さんが来られなかったのですが、一人店内を見回して、なんだかものすごく普通の店になってしまっていることに気付き、呆然としました。

 

内装をすべて新しくしてもらった茶色い店は、お客さんがいないとまるで落ち着いたスナックのようで、私のことを知らない人が足を踏み入れたらスナックと勘違いされることでしょう。でも、私はスナックをやりたくてすすきのに絞って店を探したわけではないのです。

 

 

私は一度店の経営に失敗しているので、今の時代、普通に便利でおいしいだけではもはや経営が成り立たないことは充分わかっています。

 

店をたたんでからの3年半、有名シェフでも資産家でもない私が再び店を開き、軌道に乗せるにはどうすればいいのかとずっと考えてきました。メニューもコンセプトも場所も考えに考えた末、ようやく答えが見えてきたので、再び開業するに至ったのです。

 

なのに、開店準備でバタついて疲労困憊したままに開店に至ると、久々に一人で店を回すことの大変さに心の余裕を失い、厨房が、冷蔵庫が狭いからと言い訳ばかりを述べて、結局は無難で作りやすいものばかりをメニューに載せてしまっていました。

 

これでは再び店を開いた意味がありません。

 

 

すすきのには安い店もおいしい店も有名シェフの店もたくさんあります。価格競争やキャリアで勝てるわけがない私がこのすすきので目指すべきは、おいしさ以上に、どこよりも楽しくて居心地の良いお店だったはずです。私が好きなお客さんたちが胸を張って友人や恋人を連れて来たくなる店だったはずです。

 

厨房や冷蔵庫が狭いのは最初から承知の上で、品数が少なくてもいいから、なんとか工夫しておいしい上に楽しい料理を丁寧にご提供したいと思っていたはずなのに、かわいいと評判の前菜をがんばるので精一杯で、黒板に載せるのはおいしくとも工夫のない普通の料理ばかりになってしまったこのていたらく! 

 

宣伝をしていない今、来てくれるお客さんはほとんどが前の店のお客さんと私の知人友人とそのお連れさまで、店内がにぎわう日があるのは皆様の応援と思いやりのおかげだと言うのに、忙しい日が続くとこのままでも良いような気がして、調子に乗っていました。一人の店内で深く反省した昨夜でした。

 

 

特別価格期間終了後の6月からは、お料理、お飲み物とも、メニューを一新させる予定です。要請の多いメニュー表や料理写真の掲載も、6月以降取り組んでいきます。

 

なお、メニュー変更準備と心身の休養のため、6月1日(日)は休業させていただきます。

 

疲労が重なると頭が働かなくなることが良くわかりましたので、今後もご予約のない日を狙って月に2、3回はお休みをいただこうと思っております。ご予約のいただいたら喜んで営業しますので、ご来店の日時が決まったらお早めにご連絡いただけたら幸いです。

 

心を入れ替え、今日も張り切って行ってまいります! 

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